ばい煙規制法
大気汚染に対する国の法による規制は、昭和37年の「ばい煙規制法」が最初です。ところが四日市はその第一次地域指定からはずれてしまいました。
県や市、住民代表などの働きかけによって、38年11月、四日市地区大気汚染特別調査会(黒川調査団)による現地調査が行われ、その報告をうけて39年5月に指定地域となりました。
四日市地域はコンビナートと居住地が近接しているという事情を考慮して第一次指定地域よりも厳しい亜硫酸ガス濃度の排出基準も設けられました。
住宅と隣接するコンビナート
(撮影:澤井余志郎氏)
ばい煙規制法の問題点
ばい煙規制法の排出規制は煙突一本一本から出る煙に対して濃度を規制する「濃度方式」で、施設の設置については許可制ではなく届け出制でした。
また、規制の権限が通産省にあって自治体にないという問題点もあり、工場密集地帯では多数の煙突による重複した汚染に対応できないという問題点がありました。