四日市公害と環境未来館

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リレートーク97野田之一さんのインタビューから

判決のときの記憶について

(前略)勝った瞬間にね、周りの応援支援者がみんな勝った、勝った。万歳、万歳。勝訴。っていうて看板持って、走られたけども。そのときにね、私が一番、その、何ちゅうか、むなしかったときはね、なあ、この人たちは裁判のために応援に来てくれたから、勝ちゃ勝った言うて単純に喜んでおるけども。そら勝ったけども、外を眺めると工場の煙突から煙がまんだ出とるが、これ勝って本当にこの煙突から煙が止まんのやろかと。なあ。この人たちは応援に来とるだけだから、単純に喜ぶけども、俺は裁判にしても単純に喜べやん(喜べない)なあと、そう思た。だから、挨拶のときについ口から滑った言葉が、「澤井さん、あんたたちみなさんに応援してもろて、“ありがとう”と言いたいけれども、私は裁判勝って、この煙突から煙の消えたときにあらためて“ありがとう”と礼を言いますと」。と言うて、言うた言葉がいまだに、心に残ってます。だから澤井さんの顔見ると切ない思いがしますし、この間(判決)40周年(2012年)のときも、ちょっとそんな話が出たときに、後ろめたいとこがあるけれども、でも、何て言うてええかその“ありがとう”という言葉はね、今現在で言うてええか悪いかはね、私には判断しかねるわ。

裁判時の写真

裁判時の写真
(撮影:澤井余志郎氏)

野田之一さん