東部と西部の二つの指定地に分かれ、あわせて約46,000平方メートルの広さです。昭和15年(1940)、当時、四日市市立高等女学校の教諭であった安井直康氏が、ノハナショウブ群落を発見したことが指定文化財となるきっかけでした。
その後の調査で、西部指定地に寒地性のヤチヤナギが存在し、その一方で東部指定地に暖地性ミクリガヤが存在し、日本における分布の北限地であることが判明しました。寒地性と暖地性の両方の植物が共存することから、御池沼沢は、日本の植物分布における境界線にあたることが推測されます。残念ながらミクリガヤは、環境の変化にともないごくわずかになっています。
これらの植物以外にも、東海地方固有とされるシラタマホシクサや小さいながらも翼を広げて飛んでいるようにみえることから名付けられたサギソウなど貴重な草花が生育しています。
さまざまな植物が四季折々に花を咲かせ、実をつけ、野鳥が羽を休める豊かな御池沼沢。ミミカキグサなどの食虫植物が生息していること、東海地方固有の植物であるシラタマホシクサやヘビノボラズなどの群落があるなどの理由で国の指定を受けました。
東部指定地(10・11月)
西部指定地(10・11月)
東部指定地
西部指定地
東部指定地
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