常設展示

 四日市公害と環境未来館は、3階の市立博物館常設展から順にご覧いただくことで、四日市の歴史の流れを体感していただくことができます。博物館常設展の弥生時代から中世、近世を経て、当館では近代から現代、さらには未来の環境について展示をしています。

 小さな村から始まった人の営みは、この数十年の間に、瞬時に世界中と結びつくことができるものとなりました。それでも、家族や仲間と食卓を囲み、助け合う生活は変わりません。今、四日市の環境は大幅に改善されましたが、私たちのくらしを支える世界各地には、今なお半世紀前の四日市と同じ問題を抱えている地域があるかもしれません。四日市公害の経験を活かすということは、現在の世界に目を向け、地球の未来を共に考えることではないでしょうか。

四日市公害と環境未来館へは、市立博物館3階常設展を経由してご入館ください。

産業の発展と暮らしの変化

産業の発展とくらしの変化

明治以降の四日市港の発展とともに、戦争を経てコンビナートが四日市にできるまでの様子を、当時の写真や映像、人々のくらしの環境再現によって知ることができます。

公害の発生

公害の発生

戦後、全国で大気汚染公害が問題となっていきました。工業都市四日市市でも、多くの深刻な生活被害や健康被害が発生しました。当時を語った証言映像や肉声などを体感し、市に寄せられた苦情やデータをもとに公害の実態を感じることができます。そして、その中で始まった医師や研究者の取り組みや、全国に先駆けて本市が実施した公害健康被害者への医療費救済制度などを紹介し、公害が叫ばれる中でどのように人々がくらしていたのかを伝えています。

まちづくりの変遷

まちづくりの変遷

1889年に誕生した四日市町が現在の姿になるまでを、四日市市の模型に映像を投影し解説しています。
上映作品:①四日市公害の発生とその対応(約5分) ②まちづくりの変遷(約12分)
     ③四日市空襲(約7分)

環境改善の取り組み

環境改善の取り組み

市民・企業・行政が一体となって取り組んだ環境改善により、昭和51年度に呼吸器系疾患の主な原因とされる二酸化硫黄濃度が、国の環境基準を市内全域でクリアするという結果を得るまでの歩みをそれぞれの側面から展示しています。壁面ごとに各分野の取り組みについて解説をしており、中央では四日市市の大気汚染物質観測データのリアルタイム値を見ることができます。

現在の四日市

現在の四日市

現在もなお豊かな自然の残る姿と、環境に配慮しながらイノベーションを行う四日市の産業の姿を示しています。中央のメディアテーブルでは、市内の企業と、企業が行っている環境活動を紹介しています。また、昭和22年と現在の四日市の航空写真を見比べることができ、市の発展の変遷を知ることができます。

環境先進都市四日市

環境先進都市四日市

本市が目指す「環境先進都市」となるために、地球規模で拡大する環境問題を伝えると共に、市の取り組みを紹介し、来館者の方ができる取り組みを提案しています。メッセージコーナーでは、これまでご覧になった一連の展示を踏まえて、ご自身が未来に向けてできることや、次の来館者に向けて伝えたいことを書き、未来のまちが描かれたスクリーンに映し出すことができます。

四日市公害裁判シアター

四日市公害裁判シアター

1967年、広がる公害問題をなんとかしようと磯津の公害認定患者がコンビナート企業を相手に裁判を起こします。当時の映像や、新たに撮影した証言を交えた映像から四日市公害裁判とその影響を解説しています。
上映作品:「四日市公害裁判の記憶」約20分、毎時00分、30分自動スタート

情報検索コーナー

情報検索コーナー

四日市公害を風化させることなく後世に伝えることを目的とした当館の整備にあたり、40名を超える方々からの証言映像を集めました。証言者は市民や患者のみならず、司法関係者や医療関係者、企業関係者や行政関係者といったさまざまな分野の方がおり、四日市公害をそれぞれの立場でどうとらえていたのかを多角的に知ることができます。映像は、1問1答形式のインタビュー形式をとっており、初めて四日市公害を知る方も、当時の事を詳しく知りたい方も、興味に合わせてご覧になることができます。

携帯情報端末でもっと広がる

当館の展示は、英語と中国語(簡体字)にも対応しており、また展示内容を詳しくご覧いただくために、携帯情報端末「iPad」の貸し出しをしております。
iPadのご利用で解説パネルの翻訳、音声ガイド解説や用語解説、クイズ(いずれも日本語対応のみ)によってその場で知識を深めることができます。