まつりの流れ

ストーリー

 
 鯨船行事の演技には、鯨を見つけてから撃ち取るまでの物語があります。
 港を出た鯨船山車は、流し唄(船が出港して目的地に着くまで唄う歌)と呼ばれる唄を唄いながらゆっくりと移動します。ハダシ(羽刺し)が沖の鯨を発見するところから鯨突きが始まります。
 ハダシが合図をすると鯨船は、山車を大きく左右に傾けながら竹や黒い布等で作られた張り子の鯨を追い詰めていきます。この左右に揺れる様子は、鯨の巨体が起こす大波によって船体が揺らされる様子を表しています。
 太鼓の合図に合わせて鯨を追いかけますが、形勢逆転して逃げる鯨が逆襲し鯨船は後退し、やがて体勢を整えると攻勢に転じ、再び鯨を追い詰めていきます。この鯨と鯨船の駆け引きに妙があります。最後に、海面から顔を出した鯨にハダシが銛を打ち込みます。そして鯨を仕留めた鯨船は、トモアゲ(艫上げ)と言って、鯨を突いたのちに神に感謝して船体の後の部分を持ち上げ大漁に感謝して役唄を唄います。

流し唄

船が出港して目的地に着くまで唄う歌です。


演技開始

羽刺し(ハダシ)と呼ばれる踊り子が鯨を見つけ、鯨船が鯨を追いかけます。


鯨船の横揺れ

鯨が起こす大波によって、鯨船が揺らされる様子を表しています。船と鯨は反対方向に揺れます。


鯨の逆襲

鯨の逆襲が始まります。鯨船は後退させられます。


鯨船の演技

鯨船が鯨を追い詰めるまでに行われる演技です。


鯨突き

鯨の反撃から大勢を整え攻勢に転じた鯨船が鯨を追い詰めます。鯨は追い詰められますが、隙をついて逃れます。再び鯨船は鯨を追いかけ始め、鯨を追い詰めます。この演技が何度も繰り返されます。
最後には、海面から顔を出した鯨にハダシが銛を打ち込み、演技は終了します。銛を打ち込まれた鯨は宮の中に入っていきます。


トモアゲ(艫上げ)

鯨を突いた後に、神に感謝して船体の後ろの部分を持ち上げ、大漁に感謝して役唄を唄います。