四日市市楠歴史民俗資料館は、江戸時代の末に建てられた庄屋屋敷である岡田邸を保存し活用するために、開設されました。楠地域の歴史および文化の保存並びに地域文化の振興を図ることを目的とした施設です。
楠地区の生いたちや発展の歴史、楠地区に伝わる祭り(南五味塚の鯨船練り行事、本郷の湯の花神事、北五味塚・東本郷・小倉の神輿)の活気ある風景などを映像で紹介している。
旧庄屋岡田家の歴史、数多く遺された貴重な古文書をはじめ、当時の庄屋の生活をうかがわせる資料を展示している。
展示棟の軒下には、楠地区一帯で米づくり(稲作)に使用した様々な農機具が展示してあります。 田に水を入れる水車、牛に引かせて田を耕す機具をはじめ、田植えから収穫までに使っていた様々な農機具が展示してあります。 昔の人々の農作業の仕方や苦労が偲ばれる展示品です。
楠地区の歴史・文化・自然・産業などをパネルで紹介している。これまで気づくことのなかった楠のまちを再発見できるでしょう。その他、本郷地区で発掘された埋蔵文化財も展示している。
絵画、書道、手芸など、楠地区の様々なサークル活動の作品を展示している。ミニギャラリーや特別展など様々な企画展示を行っている。展示ご希望の場合は、事務所へご相談ください。
立会所の南側にある板塀で囲まれた庭には、大小の燈籠、井戸、水琴窟などがあり、木々や苔の緑が彩を添え、立会所の濡れ縁から眺める光景は心をなごませてくれる。また、かつては、この庭に「福徳江島弁財天」が祀られた小さな社があり、「岡田天満社」として岡田家の守り神とされていた。
立会所とは、会議を行う場所である。その趣は主屋とは異なり、洗練された造りである。南側には上質な「ざしき」が2間あり、中廊下を挟んで、北側にも床の間付の「小ざしき」が2間ある。裏庭には、1坪の水屋が付属している。「ざしき」には、床の間と違い棚の座敷飾りが備えられ、ふすまを外すと大広間となり接客座敷となっている。大人数の会議は南側で、北側の座敷は控えの間として使っていたと思われる。
主屋はいわゆる居室空間である。農家には珍しい格子があり、旧庄屋らしい構えをみせる。入り口には、岡田家を紹介するパネルが設置されており、岡田家の歴史を垣間見ることができる。南側には東西三列の居室部、「だいどこ」「ざしき」「ぶつま」があり、北側に二列の居室部、「北だいどこ」「なんど」を配し、これら5室を、縦の食い違いで配列している。「ざしき」、「北だいどこ」、「しもべや」などの間仕切り建具に、帯板戸、小障子板戸が見られ、また、「ざしき」の鴨居に槍架けが設けられるなど、往時がしのばれる。
土蔵造りで、切妻造りの桟瓦葺。 内部は板張りだが、燃えない厚い土壁で覆われている。 入口に分厚い片引き戸を付けて、気密性を高めている。 主屋が建てられた頃に造られたと考えられている。