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冬の園芸カレンダー

寒さの厳しい季節となりました。北風の強い日には家の中にこもり勝ちになりますが、果樹や庭木の病害虫防除をしたり越冬性雑草の除草などとても大切な作業もあります。暖かい日にはぜひ外に出て作業を行うようにしましょう。 また、今のうちに4月からの草花や野菜の栽培計画を立てておくのもよいでしょう。

草花・鉢花

植物をよく知ろう

植物のしくみ

1つの植物では、葉の一枚一枚、根の一本一本が花を咲かせるためにがんばっています。 植物の各部は、自然が作り出した精密な生産工場なのです。

秋の代表的な草花の発芽適温・生育適温

地上部を支え、毛根から水分、養分を吸収。
葉や花をつけます。
道管 根から吸収した養分・水分を運ぶ。
師管 葉や作られた炭水化物などの栄養分を運ぶ。
子葉 発芽に必要な栄養分を含む。
本葉 光合成を行い、生育に必要な栄養分を作る。
   水分を蒸散して、温度調節を行う。
種子を作り、子孫を残します。
生長点根、茎、葉、花のもとを作ります。
全器官呼吸をします。

植物のしくみ

パンジー等花壇苗の春までの管理

花がらをこまめに摘み取って株を疲れさせないようにするのが、長く花を楽しむポ イントです。 また、花びらや枯葉をそのままにしておくと、病気の原因になる場合もありますので、 花茎の付け根から切り取ります。
花の色が薄くなる原因は、肥料切れか日光不足が考えられます。次々に花を咲かせるには、 月に2~3回を目安に液肥を与えるようにすると花つき、花色がよくなります。 また、半日陰でも育ちますが、日光不足になると茎が徒長し、花色も薄くなってしまいます。

チューリップ等球根の管理

球根を植え付けてから発芽する前に乾燥させてしまうと花がつきません。特に鉢植えの場合は浅植えになりがちで、乾燥しやすく注意が必要です。
冬は土が乾燥しない程度に水やりを行いますが、落ち葉やコケ等をかぶせ湿度を保つように するのもよい方法です。また、植えつけ後の球根は、一度寒さに当てた方が 花つきがよくなりますから、できるだけ屋外で管理します。室内の温かい場所に置き っぱなしにすると、花芽分化が行われず花が咲かないことがあります。

主な花卉の最適温度

種類最適温度(℃)
日中夜間
アザレア17~2713~18
インパチェンス18~2313~18
カーネーション19~2210~12
カラジウム27~2921~24
カランコエ2116
カルセオラリア12~159~10
キク18~2016~17
キンギョソウ16~1810
サルビア16~2313~18
シクラメン16~2010~16
シネラリア15~1810~15
ジニア16~2313~18
ゼラニウム16~1813~16
テッポウユリ18~2116~18
ハイドランジア18~2013~16
ペチュニア15~2110~16
バラ21~2416~17
パンジー8~135~10
フクシア18~2413
ポインセチア24~2516~17
マリーゴールド16~2313~18
ラークスパー9~154~10

シクラメンの栽培管理

サクラソウ科、地中海沿岸原産、別名:カガリビバナ、ブタノマンジュウ  他の鉢物に比べて高価だが、コツさえつかめば5月まで花が咲く。

よい株を選ぶチェックポイント
・球根の表面がきれい
・幼葉や小さなつぼみが枯れていない
・葉がきれいなハート型
・病気、害虫が発生していない
・葉が多く、つぼみがたくさんある

株全体をチェック

葉が多く、葉の向きがそろっていること
シクラメンの花数は葉の数に比例するので、葉数が多ければ、それだけ多くの花が期待できます。また、葉の向きが外側にそろっている株は、葉組みが十分に行われ 、中心部に光があたるように管理された証拠で、葉や蕾の生育も良好なはずです。

鉢とのバランスがとれていること
鉢に比べて株が小さいものは鉢上げして間もないか、根がいたんでいるなど何らかの障害を持っている可能性があり、逆に株が大きい場合は、すぐに鉢替えの必要が出てきます。

購入のポイント

花数、花の大きさ、花茎の長さと太さ、葉のボリュームと鉢のバランスのよいものを選ぶ

置き場所

最低温度は5~6℃、最高温度は20℃に
温度が最も下がる明け方でも、最低温度5~6℃は維持します。冷涼地では発泡スチロール箱などで鉢を保温し、根のまわりだけでも温度を確保してやるとよいでしょう。日中の室温は最も高くなっても20℃前後とします。これ以上になると一輪の花の寿命が短くなったり、株が軟弱になったりします。 暖房で25℃以上の高温になる部屋におき、夜遅くまで照明をつけていると、体力を消耗し、軟弱に育ちます。シクラメンにも生活のリズムが必要です。また、ファンヒーターの風が直接あたるところにはおかないようにしましょう。

冬の間はガラス越しの直射日光に当てる
昼間はガラス越しに直射日光浴をさせます。冬の光は横からさしますから、鉢の下に反射効果のあるアルミ箔などを敷いてやるのも光を確保する一つの方法です。こうすると、葉の裏側に光があたるのを嫌うシクラメンの葉は、裏に反り返るので株全体がまとまり、観賞性が高くなるというおまけもついてきます。春3月の声を聞くと日ざしも強くなるので、日中はレースのカーテンで遮光してください。

水やりと施肥

株の生育を考えて水と肥料を調節
水切れによって株をしおれさせると、芽枯れを起こします。また、次々に花が咲いているときに、窒素肥料を多く施しすぎると、花色が鮮やかさを失い、花の寿命も短くなります。水分と肥料分を薄め液体肥料で同時に補給する底面給水鉢では、タンクへの給液が基本の管理となります。  また、4~5℃の低めの温度で管理するときは、タンクの水を時折空にして半日ほど放置し、鉢内の土粒の中の小さい隙間の水を減らしてやります。

12月水だけをタンクへ注ぎます。
1~2月カリ分が多く、微量要素(マグネシウムなど)を含んだ液体肥料を大輪種は1500倍、中輪種は2000倍、小輪種は3000倍に薄めてタンクへ注ぎます。
3~6月株作りも考慮した施肥を行います。窒素、リン酸、カリ分が10:10:10の液体肥料なら、大輪種は2000倍、中輪種は3000倍、小輪種は4000倍に薄めてタンクへ注ぎます。

鉢回しを忘れずに

窓辺に置きっぱなし…では不十分です。鉢は水やりごと、または週に1回は向きを変えないと、花の咲き方が一方に片寄ります。昔から鉢は回して育てよ…というとおりです。

夜間の温度は10℃以下に

シクラメンは早春に咲き、気温の上昇ともなって休眠する植物です。したがって夜間の最低温度が10℃以上あるところで育てると花茎や葉柄は間のびし、外側に倒れて休眠してしまいます。7~10℃ぐらいの場所で育てるのがコツです。昼間の温度は20~25℃、 つまり一般家庭の冬の室内温度でよく育ちます。

葉組みで見目うるわしく

購入株はかぶの中心からそろって開花しています。それは生産段階で葉組みをし、株の内部に光が入るようにしていたからです。家庭でも月1回、かぶの中心の葉を外側に軽く引っ張ると、ハート型の葉は他の葉に引っかかって戻らず、株の中心に穴があきます。ここから光がさしこむので蕾は早く育ち、しかもきれいに咲いてくるのです。

花がらを摘まないと花が上がらない

花の咲き終わった順に花がらを摘み取り、タネをつくらないようにします。花茎をはさんで茎(軸)を回転させながら引き抜くと花茎の付け根から引き抜かれます。

底面給水鉢の管理法

水やり
鉢下の水槽の水がなくなったら水槽に水を注ぎます。この場合、鉢底と水面に1cmほどのすきまがあるように注ぎます。月1回は上から水を与えます。下から水を与えつづけると土の中に余った肥料分が鉢土の表面近くに集まって、そこに高濃度の肥料分が集積され、その結果根が枯れてしまいます。これを防ぐために1ヶ月か2ヶ月に1回、水槽を外して鉢内の表面から水をたっぷりかけてやります。これによって集積された肥料分も流し去り、再び水槽をはめて底面からの水やりを続けます。これをしないと枯れてしまうことが多くなります。

肥料
肥料も底面から施します。月に2~3回、水槽の水がなくなり新しく水を注入するときに、水の代わりに液体肥料をいれます。

表土を耕して通気性よく

水やりを続けていると、土の表面が硬くなってきます。1.5~2ヶ月に1回、土の表面にピンセットや調理用の串などを深さ2cmほど挿入して軽く耕すと、 空気や水の通りも良く、健康に育ちます。

ラン

洋ランの冬の管理(12月~3月)

生育状況置き場所日照水やり肥料
シンビジウム休眠期です
開花している株は次の新芽の充実のため早めに花を切ったほうがよい
室内ガラス越し乾いたら与える3月に入ったら徐々に多め与えません
カトレア休眠期です室内ガラス越し
3月に入ると光が強くなってくるのでレースのカーテン越しにしてください
乾いたら与える(1週間に1度くらい)与えません
デンドロビウム休眠期です
花芽がふくらんできます
室内ガラス越し乾かしぎみ(5日に1度くらい)与えません
パフィオぺディラム冬咲き種は開花室内30%遮光
3月に入ったら60%くらいの遮光を
乾かさないように少し湿った状態がよい与えません
花の咲いている洋ランを入手した方、愛培の洋ランが開花した方、 花が咲くとついつい肥料も与えたくなりますが根は休眠中ですので、肥料の効果はありません。 むしろ害のほうが多いです。そういうわけで肥料は与えてはいけません。
※昨年サギソウを入手した方、2月下旬頃から植え替えの適期になります。  お忘れなく!!

観葉植物

保温対策に工夫を凝らして厳しい冬を乗り切りましょう。

観葉植物は、熱帯・亜熱帯地方から導入されたものが多く、冬の間は管理に十分気をつける必要があります。 気温が15℃を下回ればほとんど成長も止まってしまいます。 この時期に肥料を与えたり、水をやりすぎたりすると根腐れをおこして枯れてしまうことがあります。 冬の間は水やりを控えめにし、できるだけ暖かいところで管理をします。 暖房を行うと空気が乾燥しますので葉水をまめに与えるようにしてください。 また、温風には直接あたらないように注意をしてください。

各種観葉植物の越冬温度

5℃(寒さに強い種類)アイビー、アジアンタム、アスパラガス、アロエ、アスプレニウム、オリヅルラン、カンノンチク、 ゴールドクレスト、サンセベリア、シェフレラ、トラデスカンチア、ネフロレピス、パキラ、 ハートカズラ、ピレア、ブライダルベール、プテリス
10℃(やや寒さに弱い種類)アナナス類、エスキナンサス、ゴムノキ、コルディリネ、スパティフィラム、ドラセナ、ペペロミア、 ベゴニア、ポトス、モンステラ
15℃(寒さに弱い種類)アグラオネマ、アンスリウム、アフェランドラ、カラテア、コーヒーノキ、シンゴニウム、 ディフェンバキア、フィットニア

越冬温度が5℃のものは水のやり過ぎにだけ注意をすればよく、 比較的容易に冬越しができます (サンセベリアは乾燥状態にすることが肝心で、冬の間の水やりは数回にとどめます)。
10℃のものは水やりを控えるとともに、できるだけ暖かいところにおくように気をつけます。
15℃ものは何らかの保温対策を取る必要があります。夜の間新聞紙やビニール袋をかぶせたり、 浴室に置くなどの工夫をしてください。暖房のできるケースがあれば万全です。
いずれのものも水やりを控えて、その代わり葉水をまめに与えるようにします。
たとえ葉が落ちてしまってもあきらめずに管理しましょう。4月になって新しい葉が出てくれば冬越しは成功です。

野菜

秋にまいたハクサイやダイコンの収穫の時期を迎えました。 寒い冬には作ることのできる野菜は限られています。今回はポイントをいくつか挙げてみました。 また、食べ物の話題も載せます。

秋まき野菜等の栽培管理暦

1.ニンジン

冷涼な気候を好み、寒さに比較的強いです。しかし、2~3℃以下になると根の生育は停止します。反面、生長してからの夏の暑さに弱いので、まく時期と品種は十分に検討しましょう。春まきは、トウ立ちしない、または遅い品種を選びましょう。
 
種まき
予定地は深く耕して完熟たい肥、元肥を十分にすきこんで整地しておきます。直前 に未熟たい肥を与えると“また根”になります。条まきしても15cm幅の溝に播いてもよいです。 いずれも覆土は薄く5mmくらいがよいでしょう。もみがらをまいて乾燥を防ぎます。
 
間引き・追肥
発芽後の育ちは遅く、込み合うとさらに遅くなりますので本葉2~3枚のころ第1回 目の間引きをします。大・中・小の苗があれば中くらいのものを残します。 大きすぎるものは「股ニンジン」になっていることがあります。残されたものの生育を早める ため、根元から5cmくらいのところに追肥を条まきします。NK化成がよいでしょう。  本葉5~6枚のころに2回目の間引きを行います。株間が8~12cm位になっていれば十分です。 播種後60~70日頃から根が肥大する重要な時期となります。カリを特に必要とするので、 カリ分の多い肥料を追肥に用います。NK化成でよいでしょう。
 
病害虫
ヨトウムシ、アゲハの幼虫が大敵です。幼齢のうちに早めに防除しましょう。
2.エンドウ

元来は秋まき栽培される作物です。 比較的低温と乾燥を好みます。栽培のコツは
連作を避けましょう。同じ畑に3~4年は作付けしないように。
排水をよくしましょう。
土をほぼ中性にする。酸性土壌に弱いため十分に石灰をまきましょう。
光を十分に当てられるように仕立てをする。日当たりの悪いところでは着花不良となります。
種まき
早まきすると大苗で越冬することになり寒害を受けやすくなります。 春まき栽培の方が適するところもあります。しかし、あまり遅くなると収穫中に暑くなり、収量が少なくなります。 幅 80cm、高さ10~15cmくらいの畝を作り、株間30~40cmくらいがよいでしょう。 ゆったりと場所を取りましょう。直まきは4~5粒の種をまき、2~3cmくらい覆土します。
 
間引き・追肥
草丈7~8cmくらいで、勢いの良いもの2本を残して他は間引きします。秋まきの場合、3月中に追肥して通路の土を上げて畝を整形します。エンドウは株元が細いので、 風に振り回されないように早目に仮支柱を立てます。
 
病害虫
ハモグリバエが多発しています。オルトラン、アドマイヤー、マリックスなどが効果的です。
3.タマネギ

昨年中に定植したタマネギ苗は順調に生育していますか?
 
追肥
順調に生育すると、3月下旬頃に2回目の追肥をします。化成肥料もよいし、鶏糞を たっぷり施してもよいです。十分に効かせたいですね。しかし、追肥の適期を逃すと 肥料がいつまでも効いて、収穫時になかなか葉が折れません。また、「足らなかったか な?」と思ってこの後に大量の硫安をまくと、とけてしまう場合もあります。
 
病害虫予防
べと病など、天候により病気が発生しやすいこともあります。予防のため各種ダイセン、ダコニールなどローテーションを組んで定期的に散布します。

話題の「ムラサキイモ」
昨今の健康ブームの中、赤ワインが流行していますが、その成分のひとつ「ポリフェノール」が注目を浴びています。ムラサキイモはこの「ポリフェノール」を多量に含んでいます。外見は普通のサツマイモと全く同じ、しかし半分に割ってみるとその鮮やかな紫色に驚きます。最近テレビで紹介されて特に話題となっているようですね。  この他、普通のサツマイモと同じようにミカンと同じくらいの量のビタミンC、そしてビタミンB1,B2もたっぷり含んでいます。ご存じのとおりサツマイモには繊維質も多いことから、「美容食」として立派に通用します。

果樹

果樹の剪定

樹は花を楽しみ、果実も食べられ、他の庭木に比べ喜びは2倍3倍にもなりますがその分手入れが必要で、 樹形作りから人工受粉、果実の管理といろいろ注意しなければなりません。
せっかく、一生懸命に育てた果樹も着花習性(花の咲くところ)や結果習性 (実のつくところ)を知らないと剪定ミスで果実ができなくなります。
そこで、「花の咲き方、実のつき方」について図を見ながら良い花芽を残し、上手に剪定しましょう。

花の咲き方、実のつき方

1年枝に開花、結実するもの
ウンシュウミカン、カキ、クリは2年枝の先端から、2~3芽の部分にできている混合花芽を残して剪定します。

2年枝に開花、結実するもの
モモ、ウメ、サクランボ、スグリ類、アンズ、グミ、ユスラウメは純正花芽が2年枝に多く出来ているので、長く伸びた枝を切縮めて剪定してもよい。  なお、ブドウ、イチジクについても2年枝の各芽に混合花芽が出来ているので長く伸びた枝を切縮めて剪定してもよい。

剪定の時期

落葉樹は秋に落葉してから冬の間、特にモモ、ウメ、スモモ、ブドウ、 キウィは12月末までに、常緑樹は3月(ビワは9月)に剪定します。

剪定

庭木・花木

庭木

冬の剪定(12~3月)
この時期は休眠期であり、針葉樹落葉樹は整姿、剪定の適期です。 しかし、暖地性の常緑樹は寒さのためいたみやすいので強い切り込みは避けてください。

花木

ほとんどの花木類は花芽ができていますので花芽を見極めて剪定して下さい。

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