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夏の園芸カレンダー

夏がやってきました。トウモロコシやヒマワリなど太陽が大好きな植物はぐんぐん育ちます。同時に害虫や雑草も多くなりますので早めの駆除を心がけましょう。夏休みには親子揃って野菜の栽培や、花の観察をしてみるのはいかがでしょうか。園芸カレンダーを参考にトライしてみて下さい。

肥料のはなし

植物は半ば放任状態でも育ってくれますが、肥料を上手に使うと驚くほどに生育が良くなります。でも使いすぎると消化不良を起こし逆効果となります。正しい肥料の知識を身につけて、上手に使いましょう。植物の生長に必要な基本要素は日光、空気、水ですが、それ以外に栄養分としていくつかの成分を必要とします。なかでも窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)は不足がちになりますので特に注意をして与えてやる必要があります。また、カルシウム、マグネシウムもビタミン的な要素として重要です。これらの要素はそれぞれ図のような働きをします。市販の肥料の成分は10-10-10等の数字の並びで示されています。順番にN-P-Kの成分含有量を表しており、その他の成分が含まれる場合は続けて表示されます。作物によって肥料を使い分けることが大切です。主な肥料の成分量は表のようになっています。

ジャンル別栽培管理の野菜の項も参照してください。

肥料N(%)P(%)K(%)効果,備考
油かす5213~4ヶ月
骨粉4206~12ヶ月
マグアンプK64061~2年
花工場211124106ヶ月
IB化成1010103ヶ月
ヨウリン20緩効性
過リン酸石灰20速効性
普通化成8882~3週間
プロミック錠剤1212122~3ヶ月
花工場原液51051週間
ハイポネックス原液51051週間
ハイポネックス洋ラン6661週間
ハイポネックス観葉植物10331週間
微粉ハイポネックス6.56191週間

草花・鉢植え

病虫害の発生しやすい時期です。主な病気や害虫の対処法について説明します。

主な病気と対処法

病名症状主な草花対処法
うどんこ病若葉や茎の表面にうどん粉をまぶしたような白いカビが生えるキンギョソウ、コスモス、ジニア、スイートピーベンレート、トップジンMなどを定期的に散布して予防する。
モザイク病葉や花にモザイク状の斑点ができるキク、チューリップ、ガーベラ、スイセン発病株を抜いて処分する。媒介するアブラムシを駆除する。
ベト病湿度が多い時期に発生しやすい。葉の表面に斑点が現れ、葉や花が溶けて腐る。ヒマワリ、アスター、ハボタン密植を避け、風通しをよくする。マンネブダイセンやジネブ剤などを散布する。
灰色カビ病花や茎、葉に灰色のカビが生えて腐るパンジー、シクラメン、プリムラ早期にベンレート、トップジンMを散布する。
立ち枯れ病苗の根元がくびれ、倒れて腐るカンパニュラ、ストック、ラナンキュラスキャプタン剤などを散布して予防する。
根腐れ病根がじくじくして腐敗し、やがて株全体に腐敗が及ぶダリア、シクラメン、球根アイリス、ユリ排水をよくし、銅製剤などを散布する。
菌核病低温時などに、株元の葉が褐色から黒っぽくなり、やがて株がしおれ、枯れるカーベラ、カーネーション、ケイトウ、ユリトップジンM、ベンレートなどの薬剤を散布する。

主な害虫と対処法

アブラムシ新芽や葉の裏に群生して草花の養分を吸い取るキンセンカ、パンジーほか大多数オルトラン、マラソン剤を散布して防除する。
カイガラムシ貝殻の形をしており、枝、葉、茎に寄生し、養分を吸い取るウメ、サルスベリほか、観葉植物全般スミチオンなどを散布する。
ヨトウムシヨトウガの幼虫。夜活動し、新芽や花を食い荒らすスイートピー、キク、ダリア、キキョウ見つけしだい捕殺し、オルトラン粒剤をまいて駆除する。
ハダニ類葉の裏に群生して養分を吸い取るダニ。高温多湿時期に発生しやすい。葉裏が白っぽくなる。パンジー、ベゴニアセンパフローレンス、宿根バーベナ抵抗力を持っているので、マラソン剤やケルセン剤など、種類の違う薬剤を交互に散布する。
ネゴブセンチュウ根に寄生し、コブを作る。根が侵され、枯れることもある。アスター、ケイトウ、バラ、クレマチス植え替えをするときは、消毒した培養土を用いる。病株は破棄。
オンシツコナジラミ草花に寄生するシラミ。葉が白っぽくなり、生育不良になるキンセンカ、ゼラニウム、サルビア、プリムラ定期的にオルトランやスプラサイドなどを散布して駆除する。
アオムシモンシロチョウの幼虫で、新芽や若葉を食い荒らしてしまうストック、ジニア、ナスタチウム、ハボタンオルトラン粒剤やマラソン剤を散布して防除する。

夏に種まきを行うと良いもの

7月~キンギョソウ、ナデシコ、パンジーなど
9月~ゴデチャ、スターチス、矢車草、デルフィニウムなど

夏に適した摘心及び切り戻し

アサガオ本葉が9~10枚くらいになったとき、つるが太くて丈夫ならそのまま 伸ばして仕立てていきますが、ちょっと弱そうなら摘心して子づるを育てます。
サルビア苗が10cmくらいになったら摘心して枝数を増やします。生長に応じて 随時摘心を繰り返していくと花数が多いボリュームのある株にすることができます。切り戻しは、株が伸びてだらしなくなったら、開花後に草丈の1/3ほどを切り戻し、同時に化成肥料を追肥しておきます。特に暑すぎる夏は花が休むので、8月に思い切って切り戻して秋に再び咲かせるようにします。

夏に適した挿し芽

インパチェンス5~9月は挿し芽が簡単に行えます。花がついた節には芽がありませんから、芽がつているのを 確認してから枝を6~8cmに切ります。30分ほどコップ の水に挿して十分な水揚げをした後4~5cm間隔で挿し、半日陰で管理します。

夏の作業管理

上旬中旬下旬
7月
晴れた日には強い日差しになるので、強光線を嫌う草花は、直射日光があたらない場所へ移すか、日除けをする。

梅雨明け後は、水やりの回数が増える。夕方、鉢の乾き具合をよく見ること。

露地植えの草花で乾燥を嫌うものは、イナワラや腐葉土を株元に敷く。ハダニの発生も頻繁になるので、葉水で洗い流すとともに、薬剤散布も行う。
8月
花壇の雑草は暑さ知らず。こまめに抜き取る。高温多湿期は病害虫の発生が一番多い。殺虫剤、殺菌剤で予防対策を立てる。

秋まき草花の花壇の準備をする。台風がきたときの対応策を考えておく。

秋まき草花の種まき開始。
9月
引き続き、秋まき草花の種まき。早めに秋植え球根を購入する。

秋植草花の移植を行う。

秋植え球根の植え付けを行う。夏の強い日差しを防ぐ日除けを取り外す。

ラン

洋ランの夏の管理(7月~9月)

生育状況置き場所日照水やり肥 料
シンビジウム生長期戸外30%遮光
9月に入り涼しくなったら直射に
たっぷりリン酸系の液肥
2回/月
カトレア生長期戸外50%遮光たっぷりリン酸系の液肥
7月8月 2回/月
デンドロビウム生長期戸外0~20%の遮光たっぷりリン酸系の液肥
2回/月
パフィオ
ぺディラム
生長期戸外60~70%遮光たっぷり液肥 7,8月
2回/月
9月に入ったら
リン酸系の液肥
これらのランはすべて生長期に入っていますので水も肥料もたっぷりやって下さい。置き場所は風通しの良い場所において下さい。ただ、梅雨時の長雨には当てないよう、また、台風対策にも気を配って下さい。

観葉植物

この季節にしっかりとした株に育てましょう!

夏は置き場所画重要!
夏は観葉植物がもっとも活発に生長する季節です。もともと熱帯地方原産の植物ですから気候的には屋外でも十分 なのですが、ほとんどのものは強光線を嫌います。うっかり外に出したために葉やけを起こして枯らしてしまうこ とのないよう、下表を参考に置き場所に注意してください。強い光を好むものは直射日光に当たっても大丈夫です。表にないものはレースのカーテン越しの光の当たるところ(部屋 の中の明るい場所)で管理し、外に出す場合はよしずや寒冷紗 などで50%程度遮光してください。

強い光を好む種類

エクメア、パイナップル、チランドシア、アロエ、クロトン コーヒーノキ、ゴムノキ、サンセヴェリア、シペラス、フェニックス、ロメオ セトクレアセア、ソテツ類

弱い光を好む種類

アグラオネマ、アジアンタム、グズマニア、フリーセア アスプレニューム、アフェランドラ、アローカシア カラテア、アンスリウム、ディフェンバキア、マランタ

肥料

観葉植物に肥料を施すのは生育期間である春から夏 にかけてです。気温の低い時期は生育が止まっており、肥料を施すと 根腐れの原因になります。よく使われる粒状の置き肥の 効果は約2ヶ月で切れますので(液肥の場合は1週間) 9月まではその都度追加してください。部屋の中では通気に注意しましょう。

野菜

野菜の栽培歴

野菜の栽培歴

有機質肥料

肥料の種類含有成分の割合(%)肥効用途適応その他
チッソリンサンカリ元肥追肥
動物質魚カス7-85-61速効性野菜・果樹に向く。虫に注意。
干魚肥料4-101-5速効性微量要素も含む。草木灰との併用がよい。
骨粉(蒸製)2.5-417-24緩効性全ての作物、特に果樹に適す。
カニガラ粉末4-91-6緩効性キチン質を含む。病害抑制効果有り。野菜。
植物質ナタネ油カス5-62-31-1.5緩効性野菜・花・果樹など何にでも向く。
ダイズ油カス6-71-21-2緩効性全ての野菜。暖地では追肥もできる。
草木灰3-47-8速効性魚カスと併用して多くの野菜に向く。追肥にもよい。

無機質肥料

肥料の種類含有成分の割合(%)肥効用途適用その他
チッソリンサンカリ元肥追肥
単肥硫安21速効性水溶性、野菜、果樹、花など
尿素46葉面散布も可。野菜・果樹・花など
石灰チッソ21緩効性殺菌効果あり。野菜・果樹・花など
過リン酸石灰
(過石)
17-20速効性堆肥と併用。野菜・果樹・花など
熔成リン肥
(ヨウリン)
20水に溶けにくい。野菜・果樹・花など
硝酸カリ
(硝加)
50水溶性。野菜(特にいも類)・果樹・花など
塩化カリ
(塩化)
60水溶性。露地野菜(いも類には不向き)
普通化成化成8号888速効性野菜・果樹・花など
化成9号696火山灰土に適す。野菜・果樹・花など
エヌビー化成10510野菜・果樹・花など
高度化成複合リン加安42号141414速効性野菜・果樹など
硫加リン安131号103010
硫加リン安474号14714
NK化成NK化成6061616速効性露地野菜
尿素入りNK化成1418
配合肥料高度複合4-2-4142214速効性野菜・果樹など
有機入り配合777777野菜・果樹・花など
粒状複合5-0-2151012野菜・果樹など
塩基性複合1167アルカリ性。野菜・花など
緩効性肥料尿素入りIB化成101010緩効性果菜類、果樹、花木、花など
複合リン硝安カリ121212果菜類、花
CDU複合リン加安101210果菜類、果樹、花木、花など
被覆複合12412果菜類、果樹、花など

果樹

秋、真っ赤な実を付けた柿が庭先に見かけられるようになります。さて、柿の最大の敵はカキミガ(カキヘタムシ)です。この害虫は、へたの所から虫糞をだしながら、果実内を食い荒らし落果させます。今回はその防除についてお知らせします。

  • 成虫が発生する7月下旬から8月上旬ごろにかけて、スミチオン1000倍液を散布する。
  • 10月上旬頃幹に「わら」を巻いて、その中に害虫を集め、これを1月中に焼き捨てます。
  • 寒中に粗い樹皮を削り落として、越冬中の幼虫を捕殺します。これらにより、秋には“おいしい柿”の収穫を待つばかりですね!

庭木・花木

庭木

夏の剪定(6~8月)
夏の剪定は樹勢の減退、幹焼けの原因となりますので軽い剪定にとどめます。しかし、カシ、モチノキ等の常緑広葉樹の大木類は強い剪定ができます。

花木

6~8月は花木の花芽ができる時期なので、剪定は行わず、徒長枝が伸びるのを止める程度とします。

病虫害防除

病害
炭そ病、うどんこ病等が発生します。
害虫
アブラムシ、アオムシ、ハマキムシ、カイガラムシ、ハダニ等が多く見られます。

同じ農薬を繰り返し使っていますと抵抗性がでてきてあまり効かなくなってきますので、2~3種類の農薬をバランスよく使いましょう。
※使用農薬については、薬剤に適応する作物名、使用回数などの記載が有ります。記載事項を必ず読んで細心の注意をはらって使用しましょう。

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