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秋の園芸カレンダー

食欲の秋、実りの秋です。柿や栗などの実がおいしそうに熟している景色が目に付くようになります。さて、秋の日はつるべ落としといわれるようにどんどん日が短くなるとともに、気温も急に下がってきます。冬の苦手な観葉植物やランなどは室内に取り込む時期に注意しましょう。また、花壇の更新や露地野菜の栽培など何かと忙しい時期です。うっかり時期を失ってしまわないよう計画を立てて作業を行いましょう。

肥料のはなし

前回はいろいろな種類の肥料を紹介しました。今回はこれらの肥料の使い方について解説します。基本的には元肥(作付け前に土壌に施しておく肥料)と追肥(生育途中で施す肥料)を組み合わせて生育期 を通じて効果が発揮されるようにします。元肥には緩効性肥料(油粕や骨粉などの有機質肥料のように、ゆっくりと長く効く肥料)が向きます。植え付け前の1~2週間前に、花壇や畑の底土とよく混ぜておきます。有機質肥料は土壌中の微生物によって分解され、熱やガスを発生することがありますので直接根にふれないようにします。追肥には速効性のある無機質肥料がよく使われます。生育期間中2~3回根元に適量施します。粒状のものでは、表土と軽く混ぜ合わせておくとより効果的です。液体肥料の場合は効果が1週間ほどで切れますので、その都度使う必要があります。必ず規定の濃度に薄めて使ってください。有機質肥料も追肥として使いますが、やはり根に直接ふれないようにします。どのような肥料を使う場合も、与えすぎると必ず障害がでます。植物をよく観察して適切な肥培管理を心がけましょう。

草花・鉢花

秋の園芸シーズンが始まりました。準備はいかがでしょうか。

秋の代表的な草花の発芽適温・生育適温

発芽適温温度生育適温
・アマリリス30
・アサガオ・ケイトウ・サルビア
・ペチュニア・ニチニチソウ
25・アサガオ・アスター
・ガーベラ・キキョウ
・ゼラニウム・ニチニチソウ
・ガーベラ・キンギョソウ
・キンセンカ・コスモス
・ストック・パンジー・マリーゴールド
・ハボタン
20・キンギョソウ・ケイトウ
・コスモス・ストック
・マリーゴールド・シクラメン
・アスター15・アネモネ・キンセンカ
・サイネリア・スイートピー
・ハボタン・パンジー
・マーガッレト
・ラナンキュラス10・ラナンキュラス
秋冬花壇
・宿根アスター・エリカ・コスモス・シロタエギク・シャコバサボテン ・キク・スイセン・ストック・ハボタン・パンジー

秋の花壇の基本培土と特徴

赤土火山灰土の下層土で直径1cm以上のゴロ土を除けば鉢物用土となります。赤土の粒子はリン酸を吸着しやすいために石灰と混合して使用するか、腐葉土及び牛糞と混ぜて使うとリン酸が植物に吸収されやすくなります。
黒土赤土の上層部分の土で有機質を含んで黒く見えます。リン酸を吸着しやすい点は赤土と同じですが、多少養分を含みます。乾くと固まりやすいので、鉢土に使う場合は通気と排水を向上させる土と混合して使用します。

秋の鉢物の基本培土と特徴

赤玉土赤土をふるいで分けた粒状の土で、団粒構造になっています。赤土より通気性、排水性があり、pHは6.0前後。
鹿沼土栃木県鹿沼地方から産出した土。赤土より通気性、保水性、排水性に優れています。
腐葉土落葉広葉樹の落ち葉を発酵させた葉で、通気性、排水性、保肥性に優れています。リン酸肥料 (ヨウリン、過リン酸石灰)をあらかじめ施肥しておくと苗の生育が良くなります。
ピートモス寒冷地の湿地帯の水ごけが長年かかって堆積したもので、pHは4~5とやや低いため、10l当たり10~20gの石灰を混ぜて使用するとよいでしょう。
パーライト真珠岩を高温処理したもので、粉状のものは通気性、保水性、排水性に優れます。保肥性は低く、無菌で養分はありません。
バーミキュライトヒル石を高温処理したもので、通気性、保水性、保肥性に優れています。培養土に1~2割程度混ぜると良いでしょう。
配合例(1) 赤土:腐葉土:バーミキュライト
=6:3:1 → 保水性重視    
=3:6:1 → 通気性重視
(2) ピートモス:バーミキュライト:パーライト
=2:2:1 → 保水性重視   
=2:1:2 → 通気性重視

ガーデニングの楽しみ方

寄せ植え

寄せ植えに使用するコンテナは種々ありますが、初めての寄せ植えにはプレーンな素焼き鉢を用いると良いでしょう。素焼き鉢は簡単なデザインのものが多く、どんな草花にも良く合います。また、通気性や水はけが良く、植物の生育にも適しています。ポイント

ポイント

  • 培養土は水はけの良いものを用いる。
  • 鉢の縁からウォータースペースを約2cm確保する。
  • 植え付け前は苗に水やりをしない。
  • 苗の生長を考え、間隔を少しあけて植える。
  • 定植する前にデザインを考える。苗は植え付け直前に取り出すと根を傷めない。
  • 組み合わせる草花の開花時期を合わせる。
  • 日当たりを好むもの、乾燥に強いものなど、性質の似た草花を組み合わせる。
  • 傷んだ葉や花がらを取り除く。

ラン

洋ランの秋の管理(9月~11月)

生育状況置き場所日照水やり肥料
シンビジウム花芽の伸長期です10月中旬に室内に取り込みます10月いっぱいは直射その後はガラス越し徐々に減らしていき乾いたら与える程度与えません
カトレア10月いっぱいは生長しています11月頃から休眠期に入ります10月上旬に室内に11月いっぱいはレースのカーテン越し徐々に減らしていき 乾いたら与える程度与えません
デンドロビウム
10月にはいると 花芽が作られます
11月中旬頃まで戸外に置き寒さに当てます戸外に置いている間 直射
10月から徐々に 減らし中旬頃から11月下旬まで与えません
与えません
パフィオぺディラム生長は止まります10月上旬に室内に取り込みます11月に入ったら30%遮光
徐々に 減らしますが完全に乾かないように
11月中で肥料を止めます
夏越しさせていた洋ランの仲間を10月の声を聞く頃から徐々に室内に取り込んでいきましょう。カトレア、胡蝶ランは早く、オンシジウム、パフィオペディラム、ミルトニアなどはそのあと。シンビジウムときてデンドロビウムは11月の声を聞いて弱い霜に当てるくらいまで外に置いてから取り込みます。

観葉植物

冬に向けて徐々に低温にならしましょう!

暑かった夏も終わり、過ごしやすい季節になりました。熱帯地方由来の観葉植物も日本の夏は厳しいものがあり、夏越しには十分注意が必要です。うまく管理はできたでしょうか。そろそろ戸外に出してあった植物も家の中に取り込む時期になります。少なくとも霜の降りる頃までにはおこないます。しかし、あまり早くから取り込むと日照不足や蒸れることがありますので、しばらくは戸外で徐々に低温にならすようにします。10月いっぱいをめどにするとよいでしょう。ポトスやベンジャミンなど夏の間に伸びすぎたものは、切りつめて整枝を行う程度のことはできますが、植え替えや挿し木などは春まで待ちましょう。肥料も10月上旬を最後に施しません。水やりは徐々に回数を減らしていきます。なるべく暖かい日に行うようにし、その間は葉水を与えます。年内なら暖かい日は外で水をかけて葉を洗ってやると元気が出ます。

野菜

野菜づくりで、新鮮で豊かな自然のめぐみを味わいましょう!
今回は野菜づくりの主な作業を要約してみました。これからの計画と準備の参考にして下さい。

秋まき野菜等の栽培管理暦

秋まきキャベツハクサイ冬ダイコン
9月(本畑の施肥・耕起)
苦土石灰100~150g
堆肥 2Kg
化成肥料200g

(播種)8月下~9月中
畝巾60cm
株間40cm
1カ所8粒程度ずつ点まきする
(本畑の施肥・耕起)
化成肥料1握り
過リン酸石灰20g
硫酸カリ10g
油かす1握り
(播種)9月中~9月下
畝巾60~70cm
株間25~30cm
1カ所5~8粒ずつ点まきする
(播種)9月下~10月上
育苗箱かトレーへ種をまく
ポット苗は本葉5~6枚で
定植する
トレー苗は本葉3から4枚で定植する
10月(間引き)
1回目は本葉2~3枚の時
3~4本立ちにする
2回目は本葉7~8枚の時
1本立ちにする
(間引き)
1回目は子葉が開いた時
3~4本立ちにする
2回目は本葉2~3枚の時
2本立ちにする
3回目は本葉6~7枚の時
1本立ちにする
(本畑の施肥・耕起)
苦土石灰 150g
堆肥 2Kg
化成肥料 2握り
過リン酸石灰 10g
硫安 10g
硫酸カリ 10g
(追肥)
1回目は本葉6~7枚の時
低度化成60g
2回目は葉が立ってきた時
低度化成60gを施用する


(追肥と土寄せ)
1回目は本葉5~7枚で1本立ちに 間引いたとき畝の肩へ施用する
2回目は葉が立ってきた時化成肥料を1回目と反対側の畝肩へ施用する
11月
(定植)11月中~下
畝巾 60cm
株間 40~45cm
1条または2条植え
12月(追肥、中耕、土寄せ)
1回目の追肥は定植して
15~20日後
2回目は結球開始前に行う
化成肥料と硫酸カリ
(1/3)を1株に1つまみ
程度施用する
(収穫始め)~2月下旬頃

(防寒)
畝の北側にワラなどを立てて防寒する
(収穫始め)~2月下旬頃
備考収穫時期は4月中旬から6月上旬頃
たまねぎ秋まきホウレンソウ
9月(育苗床づくり、播種)
苦土石灰 200g
堆肥 2Kg
化成肥料 2握り
過リン酸石灰 30g



(播種)9月上~9月下
8cm間隔にスジまきする
本葉2枚頃に密生部を間引きする
草丈10cm位になったら1.5cm間隔に間引きする
(本畑の施肥・耕起)
苦土石灰 3~7握り
堆肥 2Kg
化成肥料 3~4握り

(播種)9月上~9月下
畝巾60cm
2条に浅い溝20cm巾を付けて種をむらなくまく
10月(間引き)
1回目は本葉が出始めの時
2回目は本葉5~6枚の時に株間を3cm位にする
(収穫始め)~12月中旬頃
(本畑の施肥・耕起)
苦土石灰 200g
堆肥 1Kg
化成肥料 1握り
過リン酸石灰 30g
(追肥、中耕、除草)
1回目の追肥は本葉2枚の時
2回目の追肥は本葉3~4枚、
草丈5~6cmの時尿素半握りか液肥を施用する
3回目の追肥は収穫の7~10日前に、肥切れの時だけ施用する
11月(定植)11月上~11月下

畝巾30~100cm
株間15cm間隔
草丈20~25cm、根元の太さがエンピツよりやや細い位の苗を植える
12月
(追肥、土寄せ)
2月頃盛んに生長し始めたら追肥する
化成肥料1握り
備考収穫時期は5月中旬から6月下旬頃
いちごその他野菜
9月(本畑の施肥・耕起)
苦土石灰 80g
油かす 50g
過リン酸石灰 50g
熔リン 20g
化成肥料2握り

(定植)9月中~10月中


畝巾 75cm
株間 30cm
2条植え
花房の出る方向
(ランナーの逆の方向)
を手前に揃えて植える
10月10月に播種する野菜
ツケナ、ほうれんそう、シュンギク、
ミツバ、サラダ菜、ネギ、
小カブ、ラディッシュ、三寸ニンジン、
エンドウ、ソラマメ

苗を定植する野菜
レタス
11月(追肥)
11月~3月に数回、硫安に硝酸カリ(3割)を混ぜて、
1株に1つまみずつ株元に施す
11月に播種する野菜
レタス、サラダ菜、ほうれん草
シュンギク、小カブ、ラディッシュ、
三寸ニンジン

苗を定植する野菜
エンドウ、ソラマメ、ツケナ、
イチゴ、アスパラガス
1月以降の作業
(マルチング)
1月~2月にマルチング
4月頃にビニールマルチの上から
敷きワラをするとより効果的



4月に花が咲き始めたら日中
柔らかい筆で花の中を軽くなで、
授粉させる必要があります
5月頃からは虫が来て自然交配されます
開花後35~40日前後で収穫期です
12月
備考収穫時期は4月下旬から6月上旬頃

果樹

秋の施肥

ミカン10月に配合肥料150gを根回りに溝を掘って施す。常緑樹で1年中肥料を吸収しているので、切らさないよう注意する。
イチジク10月に有機肥料を三握り程度、根回りへ薄くまき、軽く土にすき込む。
キウィフルーツ11月に元肥として、乾燥鶏糞3kg、化成肥料1kg、硫酸カリ100gを株を中心にして1.5mの位置に30cm位の溝を掘り、埋め込んで土をかぶせる。

庭木・花木

庭木

秋の剪定(10~12月)
夏期剪定の延長で強い剪定は行わないようにします。11月に入れば休眠期の早い 落葉樹は行っても良いです。

生け垣

生け垣は春芽の成長が止まった6月下旬~7月と、生長の止まった10月下旬から 翌年春の萌芽前が適期となります(年間2回)。但し、年1回の刈り込みだけですと、秋11月ごろまでがベスト時期です。※常緑広葉樹は、一般的に寒さに弱いので、あまり寒くなってから刈り込むと木を弱める原因となります。

①、②の順で側面を上から下に刈ってから、天端(上部)③を刈ります。

花木

花芽の分化が終わっているものがほとんどなので、見苦しい徒長枝を止める程度とします。

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