久留倍官衙遺跡整備ニュース
国指定史跡 久留倍官衙遺跡のあらまし
四日市市北部にある大矢知町の伊勢湾を望む丘陵の東先端部には、久留倍(くるべ)遺跡という弥生時代から室町時代にかけての遺跡があります。久留倍官衙遺跡は、この久留倍遺跡に含まれます。
一般国道1号北勢バイパスの建設にともない、その事前調査によって確認された古代の役所跡の範囲が国指定史跡久留倍官衙遺跡となりました。
丘陵上部の平坦面では正殿(せいでん)・脇殿(わきでん)・東門(八脚門(はっきゃくもん))などを備える東を向く政庁(せいちょう:役所の中心)や、南を向き東西に長い大型の掘立柱建物群の遺構が確認されました。また、丘陵東斜面には稲もみが貯えられていたと考えられる倉庫群も建てられており、これらは区画溝で囲まれていることから、複数の正倉群を囲った正倉院として築かれたものと考えられます。さらに、丘陵の北東側の裾部には官衙関連施設と考えられる多くの建物も見つかるなど、次々と役所の建物が建てられていたことがわかりました。
このような久留倍官衙遺跡は、壬申の乱や聖武天皇の東国行幸などの史実との関連も注目されており、 考古学のみならず古代史や万葉集研究にも一石を投じる重要な遺跡となりました。
指定状況
- 名 称: 久留倍官衙遺跡
- 種 別: 史跡
- 所在地: 四日市市大矢知町字久留倍 2267-8 番地外23 筆
- 面 積: 21,450.51 m2
- 指定年月日: 2006 年(平成18)7月28 日
- 所有者関係の概要: 四日市市・国土交通省・財務省
- 管理団体: 四日市市
久留倍遺跡発掘調査報告書
『久留倍官衙遺跡整備基本計画書』の策定について
平成18年7月28日の国史跡指定を踏まえ、久留倍官衙遺跡の歴史的文化遺産としての保存並びに活用を図るため、その整備の基本的方向性を定めた基本計画について『久留倍官衙遺跡整備基本計画書』としてまとめました。
この基本計画書をもとに、市民の皆様のご協力をいただきながら、久留倍官衙遺跡の整備を進めてまいりたいと考えております。
策定の趣旨
四日市市は、久留倍官衙遺跡の保存をより確固たるものにするため、平成17年度末に国史跡指定の申請を行い、平成18年7月28日に国の史跡に指定されました。これを受け、四日市市はもとより、全国的にも貴重な文化財である久留倍官衙遺跡の歴史的文化遺産としての保存並びに活用を図るため、その整備の基本的な方向性を定めるものとして基本計画を策定しました。
計画策定までの経過
平成18年 1月
平成17年度第1回久留倍遺跡調査整備指導委員会
6月
アンケート調査「市政ごいけんばん」の実施
7月
久留倍官衙遺跡が国史跡に指定
8月
平成18年度第1回久留倍遺跡調査整備指導委員会
9月
国史跡久留倍官衙遺跡整備基本計画(案)の意見募集
12月
平成18年度第2回久留倍遺跡調査整備指導委員会
平成19年 3月
平成18年度第3回久留倍遺跡調査整備指導委員会
『久留倍官衙遺跡保存整備基本設計書』の策定について
久留倍官衙遺跡整備検討委員会
目的
久留倍官衙遺跡の整備事業に係わる基本設計、実施設計及び施工に関すること、また整備事業に関し、必要な事項を所掌する。