HOME >> 郷土史への扉 2011/6月上旬号
2010 YOKKAICHI
ふるさと四日市への便り
市外で活躍する四日市出身者からの便りをお届けします。
今回は、テレビドラマ化された「四十九日のレシピ」など、小説家としてご活躍されている伊吹有喜さんから四日市市への便りです。
■一文字違いの攻防戦
 東京で三重の人に会うことは意外に少ない。しかし数年前、仕事先で三重県人に会った。その人は北勢の別の市の出身で、私が四日市出身と知って、冗談っぽく言った。
 「四日市って何もないよね」
 なんて挑発的な。三重県人は穏やかで協調性豊かといわれるのに。
 平静を保ちつつ「そちらには何がありましたっけ」と聞いたら「城」と言われた。
 城。たしかにそこには大きな城跡があった。しかもうっかり「昔、遠足で行きました」と笑顔で答えて穏やかな県民性を発揮してしまった。しかしここは協調できない。「シロ」に一矢を報わねば。
 「シカ」とおごそかに私は言った。
 「カモシカがいます。国の天然記念物です」
 それから湯の山温泉、コンビナート、土鍋、と指を折り、ゆるキャラはいますか、と畳みかけた。
 「四日市には、おります。"こにゅうどうくん"が」
 その人は笑い、その場は和やかになった。しかし今後、この手の勝負を挑まれたら、どう戦うのが正しいのだろう。大入道、こにゅうどうくんに聞いてみたい……。
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