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大矢知手延べ素麺(そうめん)〜伝統の味と技術を後世へ〜 |
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大矢知地区は、素麺の産地として知られています。その歴史は古く、今から200年ほど前、ある旅の僧が、朝明谷大矢知村の農家に一晩泊めてもらった折、親切なもてなしに感激し、お礼として素麺の作り方の秘伝を伝授したのがはじまりとされています。
農閑期の副業として、全盛期は300軒を超える農家などが、素麺作りに携わっていましたが、終戦後は数が減り続け、現在では十数軒となりました。
小麦粉を塩水で練った塊から、板状に切り出された太い麺を、かけ巻き、小引き、かどぼしなどの工程で、どんどん細く仕上げていきます。
大矢知素麺は、12月から3月までの寒い時期に製造されることから、寒製(かんせい)素麺」と呼ばれています。 |
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油かえしウマシ作業 |
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「寒製素麺」作りには、鈴鹿おろしの冷たい風が欠かせませんが、暖かい日や、春先になると、塩の入れ方を加減します。この塩度(えんど)の管理が職人芸なのだとか。気温の寒暖によって、含ませる塩の量を加減することで、2m以上も細く長く伸びるあの美味(おい)しい素麺が出来上がります。
朝明の風土が育てた大矢知素麺の伝統的な味と技術を、若い世代に継承してほしいですね。 |
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乾燥作業 |
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