○四日市市防災対策条例

平成30年12月25日

条例第45号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 災害予防対策(第9条―第27条)

第3章 災害応急対策(第28条―第32条)

第4章 災害復旧・復興対策(第33条・第34条)

第5章 補則(第35条・第36条)

附則

本市では、宝永地震、安政東海地震、東南海地震等の大規模地震、伊勢湾台風等の風水害、その他の災害により、市民の尊い人命や財産が失われてきた。南海トラフ地震は近年中に発生する可能性が非常に高く、とりわけ警戒が必要であるとともに、直下型地震についても、南海トラフ地震を上回る被害が想定されることから、発生に備えた対策が必要となる。また、台風や集中豪雨は、世界的な気候変動の影響によって深刻化する傾向にあり、これまで以上の警戒が求められている。

さらに、本市は、沿岸部に石油コンビナート等が立地し、市域のほとんどに河川が流れることから、災害の発生時には、コンビナート災害、河川の氾濫、土地の液状化等が同時多発的に発生する危険性があり、被害の拡大が懸念される。

東日本大震災は、従来の想定規模を超える地震及び津波により、多くの人々の生命と財産を奪い、暮らしと地域社会に甚大な被害をもたらした。未曾有の災害の脅威と行政による災害対応の限界が明らかとなり、私たちは、これまでの防災対策を根本から見直す必要があることを痛感した。また、熊本地震は、発生する可能性が低いと想定されていた直下型地震であったことから、本市においても、直下型地震が現実に発生しうるという危機感をあらためて持つ契機となった。

こうした状況において、いつ発生するかわからない災害から、「想定外」をつくらず、市民等の生命、身体及び財産を守るため、災害による被害を最小化する減災を普及させるとともに、市民等や事業者の防災・減災に対する意識をさらに高めていく必要がある。

そのためには、自らの命は自らが守るという自助、地域において互いに助け合うという共助、行政が市民等及び事業者の安全を確保するという公助を基本として、市民、事業者及び市のそれぞれが、責務及び役割を自覚し、相互に連携して、災害予防対策、災害応急対策、災害復旧・復興対策を進めなければならない。

ここに、私たちは、災害の未然防止に努めるとともに、避けることができない災害による被害を最小限にとどめる「災害に強く、災害対応力に優れたまち」の実現に向け、市民、事業者及び市が共に力を合わせて防災対策を推進していくことを決意し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、防災・減災に関し、基本理念を定め、市民、事業者、市及び議会の責務を明らかにするとともに、災害予防対策、災害応急対策及び災害復旧・復興対策に関し必要な事項を定めることにより、災害に強く、災害対応力に優れたまちづくりを推進し、もって安全で安心な市民生活を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 災害 地震、津波、豪雨、洪水、高潮、暴風、崖崩れ、土石流、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事、爆発等により生ずる被害をいう。

(2) 防災・減災 災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、及び被害を最小限にとどめ、並びに災害の復旧及び復興を図ることをいう。

(3) 防災対策 防災・減災のために行う対策をいう。

(4) 市民等 市内に居住し、又は通勤若しくは通学する者をいう。

(5) 事業者 市内で事業を営む法人その他の団体及び個人をいう。

(6) 自主防災組織 災害から自己の居住する地域社会を守る活動を行うため、地域住民が自発的に結成する組織をいう。

(7) 自主防災活動 自治会及び自主防災組織が地域において自発的に行う防災活動をいう。

(8) 防災関係機関 災害対策基本法(昭和36年法律第223号。以下「法」という。)第2条第5号に規定する指定公共機関及び同条第6号に規定する指定地方公共機関、公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者をいう。

(9) 要配慮者 高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児その他の防災対策上特に配慮を要する者をいう。

(10) 指定避難所 想定される災害の状況、人口の状況その他の状況を勘案し、災害が発生した場合における適切な避難所の確保を図るため、法第49条の7第1項の規定に基づき市長が指定する公共施設その他の施設をいう。

(基本理念)

第3条 防災対策は、自らの命は自らが守るという自助、地域において互いに助け合うという共助並びに行政が市民等及び事業者の安全を確保するという公助の考え方に基づき、市民、事業者及び市がそれぞれの責務及び役割を果たし、相互に連携して取り組むことを基本として行われるものとする。

2 防災対策は、地域特性及び社会情勢を踏まえるとともに、男女共同参画の考え方及び要配慮者その他多様な主体の視点を反映して行われるものとする。

(地域防災計画への反映)

第4条 法第16条第1項の規定により設置された四日市市防災会議は、法第42条第1項の規定により作成された四日市市地域防災計画を修正する場合は、第3条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)を尊重し、及び反映させなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、生活必需物資の備蓄並びに防災・減災に関する知識及び技術の習得その他の自らを守る取組を行うよう努めるとともに、自主防災活動への参加その他の互いに助け合う取組を行うよう努めなければならない。

2 市民は、自治会、自主防災組織、事業者、市及び防災関係機関が実施する防災対策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、従業員等並びに管理する施設及び設備の安全の確保に努めるとともに、防災対策の実施に努めなければならない。

2 事業者は、市民、自治会、自主防災組織、市及び防災関係機関が実施する防災対策に協力するよう努めなければならない。

(市の責務)

第7条 市は、基本理念にのっとり、市民等及び事業者の安全を確保し、市民生活の安定を図るため、市の有する全ての資源及び機能を十分に生かし、災害予防対策、災害応急対策及び災害復旧・復興対策を実施しなければならない。

2 市は、防災対策の実施に当たっては、市民等、自治会、自主防災組織、事業者、国、他の地方公共団体及び防災関係機関との連携及び協力に努めなければならない。

(議会の責務)

第8条 議会は、防災・減災に関する調査及び研究を行うとともに、市の防災対策への助言及び提言を行うよう努めなければならない。

2 議会は、災害が発生した場合においては、市長と協力し、災害状況の把握、市民等に対する情報発信その他の事態に即応した役割を果たすよう努めなければならない。

3 議会は、市長と協力し、国、他の地方公共団体及び防災関係機関への働きかけを行い、災害予防対策、災害応急対策及び災害復旧・復興対策の推進に努めなければならない。

第2章 災害予防対策

(情報の収集及び伝達等)

第9条 市は、国、県及び防災関係機関と連携し、あらかじめ、気象及び災害に関する情報、危険箇所に関する情報、避難のための情報、被害の状況に関する情報等(以下この条において「災害情報」という。)の収集及び伝達を迅速かつ的確に行うために、必要な体制を整備するものとする。

2 市は、災害情報を市民等及び事業者に迅速かつ的確に伝達するため、通信機能の強化及び複数の通信手段を効果的に組み合わせた情報通信システムの構築に努めるものとする。

3 市は、災害に備え、あらかじめ、災害が発生する危険性の高い場所及び区域、避難所等災害に関する情報を記載した地図その他の図書を作成し、印刷物の配布、インターネットの利用その他の適切な方法により提供するものとする。

4 市民等及び事業者は、災害に備え、災害情報を自ら積極的に収集するとともに、災害発生時においては、被害の状況に関する情報等を市に提供するよう努めるものとする。

(津波対策)

第10条 市は、津波が発生し、又は発生するおそれのある場合において、市民等が迅速かつ円滑に津波からの避難行動をとることができるよう、津波浸水想定区域(津波防災地域づくりに関する法律(平成23年法律第123号)第8条第1項の規定により設定された津波があった場合に想定される浸水の区域をいう。以下同じ。)の内外を示す標識、津波避難場所の標識、津波の発生を知らせる放送設備その他津波に関する情報を伝える多様な媒体によって、避難のための情報を容易に入手することができる環境の整備を行うものとする。

2 津波浸水想定区域に居住し、又は通勤若しくは通学する者は、津波警報等の情報に基づいて自らの判断で避難することができるよう、あらかじめ、津波による浸水から避難することができる場所、避難経路及び避難の方法について確認するよう努めなければならない。

3 津波浸水想定区域に事業所その他の施設を所有し、又は管理する事業者は、法第60条第1項の規定による勧告又は指示に基づき従業員等の避難が円滑かつ迅速に行われるよう、あらかじめ、安全が確保できる場所の確保に努めなければならない。

4 前項の事業者は、当該事業者が所有し、又は管理する事業所その他の施設及び土地が津波避難場所又は避難路として津波から避難する者に利用されるように協力するよう努めなければならない。

(公共土木施設の耐震化等)

第11条 市は、その管理する道路、橋りょう、堤防、河川その他の土木施設(以下「公共土木施設」という。)について、災害による被害を未然に防止し、又は軽減するため、公共土木施設を平常時から点検し、緊急性の高い箇所から計画的な改修その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 市長は、災害に対する安全性を確保するために必要があると認めるときは、国、県及び防災関係機関に対し、当該国、県及び防災関係機関が管理する公共土木施設の改修その他の必要な措置を講ずるよう求めるものとする。

(活断層に関する情報提供及び地盤調査等)

第12条 市は、活断層(三重県詳細活断層図に記載されている活断層をいう。以下同じ。)の直上及びその付近における建築物の倒壊等を防止するため、次に掲げる対策を実施するものとする。

(1) 活断層の位置及び活動状況、活断層を震源とする直下型地震による被害の想定等に関する情報の提供及び周知

(2) 建築物の倒壊等を防止するための対策等に関する助言

2 市は、庁舎、消防署、病院その他防災対策上重要な建築物及び小学校、中学校、体育館その他多数の者が利用する建築物の新築、改築又は移転(以下この項において「新築等」という。)をしようとする場合において、活断層が敷地に含まれるおそれのあるときは、活断層の存在を確認するために必要な地盤調査を行うものとする。この場合において、活断層の存在が明らかとなったときは、市は、活断層の直上への建築物の新築等を避けなければならない。

(既存建築物の耐震化の推進)

第13条 昭和56年5月31日以前に建築し、又は工事に着手した建築物(以下「既存建築物」という。)の所有者は、地震による当該既存建築物の倒壊等を未然に防止するため、耐震診断(地震に対する安全性を評価することをいう。)を行い、当該耐震診断の結果に応じた耐震改修(地震に対する安全性の向上を目的として、増築、改築、修繕、模様替若しくは一部の除却又は敷地の整備をすることをいう。)その他適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 市は、県、建築関係事業者の団体等と連携して、既存建築物の耐震診断及び耐震改修の実施に関する実態を把握した上で、耐震診断及び耐震改修が実施されていない既存建築物の所有者に対して、耐震化の重要性及び必要性を分かりやすく啓発するとともに、相談体制の整備その他必要な支援を講ずるものとする。

3 建築物の所有者及び管理者又は当該建築物に居住する者は、地震に対する安全性を確保するため、家具等の転倒、窓ガラスの飛散等による被害を防止するための措置を講ずるよう努めなければならない。

(防災訓練等の実施)

第14条 市は、市民等、自治会、自主防災組織、地域防犯組織、地区社会福祉協議会、消防団、国、県、防災関係機関及び事業者と連携して、地域の特性に応じた実践的な防災訓練及び講習会その他防災・減災に関する研修(以下「防災訓練等」という。)を計画的に実施するものとする。

2 市は、防災訓練等を通じて、第9条第3項に規定する地図その他の図書の内容及び活用方法を周知するものとする。

3 市民等は、自らの生命、身体及び財産を守るため、防災訓練等及び地域における防災活動に積極的に参加するよう努めなければならない。

4 事業者は、従業員等の安全を確保するため、災害が発生した場合における従業員等の円滑な避難、待機及び帰宅のために必要な防災訓練を実施するとともに、必要な物資の備蓄に努めなければならない。

(先進技術等の導入及び活用)

第15条 市は、災害への対応力の向上を図るため、災害対策における先進的な技術及び装置を積極的に導入するとともに、当該技術及び装置の導入にあたっては、実践的な防災訓練等を通じて、効果的な活用の推進に努めるものとする。

2 市は、前項に規定する導入及び活用の推進を図るため、国、県、事業者、大学等研究機関及び市民等と連携し、情報の収集、調査及び研究を行うよう努めるものとする。

(協定の締結)

第16条 市は、災害が発生した場合において、物資等の供給、災害情報の提供、緊急輸送の確保、避難場所の提供、応急の復旧に係る工事の施工その他の災害応急対策が迅速かつ的確に行われるよう、あらかじめ、他の地方公共団体、多様な事業者等との協定を幅広く締結するよう努めるものとする。

2 前項の協定の実効性を確保するため、市は、防災訓練等の機会を通じて、平常時から協定を締結する他の地方公共団体、事業者等との連携を図るものとする。

(物資等の確保及び供給の計画策定)

第17条 市は、災害が発生した場合における物資等の確保及び供給に係る計画を策定するとともに、当該計画に基づいて防災訓練等を実施し、その実施状況を検証するものとする。

2 市は、前項の計画に基づき、救援に必要な物資等(以下「救援物資」という。)の受入れ及び整理を円滑に行うとともに、当該救援物資を迅速かつ的確に指定避難所等に供給する体制を整備するものとする。

3 市は、指定避難所等における救援物資の受入れ及び供給が円滑に行われるよう、自治会、自主防災組織、災害ボランティア等との緊密な連携協力体制を構築するものとする。

(自主防災活動への支援)

第18条 市は、自主防災活動を推進するため、自治会及び自主防災組織に対し、防災訓練等の実施に関する情報提供及び地域における防災活動に関する助言並びに資機材の整備及び自主防災活動に対する助成その他必要な支援を行うものとする。

2 市は、自主防災活動において主導的な役割を担う自主防災リーダーの育成に努めるとともに、当該自主防災リーダーの役割、活動状況等を広く市民等に周知することにより、地域における自主防災活動の推進を支援するものとする。

(防災教育の推進)

第19条 市は、家庭、職場、地域等における自主的な防災活動が促進されるよう、学校教育及び社会教育を通じ、あらゆる世代を対象として防災教育を推進し、防災・減災に関する知識の普及を図るものとする。

(要配慮者への支援)

第20条 市は、要配慮者の安全の確保及び被災後の生活の安定が図られるよう、自治会、民生委員、自主防災組織、要配慮者を支援する団体等と連携し、要配慮者及びその家族があらかじめ取り組むべき備え、災害発生時にとるべき行動等に関して啓発するとともに、要配慮者を地域で支え合うネットワークづくりを促進し、並びに要配慮者に配慮した避難所の確保及び生活支援の対策を図るものとする。

2 避難支援等関係者(法第49条の11第2項に規定する避難支援等関係者をいう。以下同じ。)は、市と連携し、要配慮者のうち、避難行動要支援者(法第49条の10第1項に規定する避難行動要支援者をいう。以下同じ。)に対し、災害時における避難の支援、安否の確認、救助等(以下この条において「避難支援等」という。)を円滑に行うための体制を整備するよう努めなければならない。

3 避難行動要支援者及びその家族は、避難支援等関係者に対し、避難支援等を受けるために必要な情報を提供するよう努めなければならない。

(避難対策)

第21条 市は、あらかじめ、避難勧告等(避難準備情報等の発令又は避難の勧告若しくは避難の指示をいう。以下同じ。)を行う際の判断の基準及び当該避難勧告等に応じてとるべき行動を分かりやすく啓発するとともに、災害時において避難勧告等の情報を確実に伝達するための環境を整備するものとする。

2 市は、県、防災関係機関、自治会、自主防災組織等と連携し、タイムライン(災害時に発生する状況をあらかじめ想定し、防災行動及びその実施主体を時系列で整理した計画をいう。以下同じ。)の考え方に基づいた避難対策を講ずるものとする。

3 市民等及び事業者は、災害が発生し、又は発生するおそれのある場合において、迅速かつ円滑に避難行動をとることができるよう、あらかじめ、避難場所、家族及び従業員との連絡方法等を確認し、タイムラインの考え方に沿った計画を立てるよう努めなければならない。

(指定避難所の整備等)

第22条 市は、指定避難所の計画的な整備に努めるとともに、福祉避難所(指定避難所での生活が困難な要配慮者のための避難所として、あらかじめ協定を締結した社会福祉施設等をいう。)の拡充に努めるものとする。

2 市は、指定避難所が災害時における地域の生活拠点及び活動拠点として十分に機能を果たすよう、飲料水、食料、毛布等の必要な物資を確保するとともに、自家発電装置、災害用トイレ、応急給水施設等の防災上必要な設備の充実に努めるものとする。

(災害ボランティアの受入れ等)

第23条 市は、あらかじめ、県、社会福祉協議会、ボランティア団体等と連携し、災害が発生した場合における災害ボランティアの受入れに必要な支援及び連絡調整を行う体制の整備に努めるものとする。

2 市は、自治会、自主防災組織等と連携し、災害ボランティアの受入れに関し専門的な知識及び技能を有する人材の育成、地域における災害ボランティアの活動拠点の確保等に努めるものとする。

(水害対策)

第24条 市は、国、県、市民等及び事業者と連携し、及び協働して、豪雨等による浸水の被害を防止し、又は軽減するため、次に掲げる対策を組み合わせた水害対策を推進するものとする。

(1) 豪雨等による浸水の発生を防ぐため、河川及び下水道により、雨水を海域まで流下させ、又は一時的に貯留する対策

(2) 豪雨等による浸水の発生を減少させるため、流域内において雨水を一時的に貯留し、又は地下に浸透させる対策

(3) 浸水が想定される区域等に関する情報の周知その他浸水の発生にあらかじめ適切に備える対策

2 市は、市民等及び事業者が浸水の未然防止及び被害の最小化のための対策を適切に行うために必要な普及啓発及び支援を行うものとする。

3 市民等及び事業者は、浸水に関する情報を収集するとともに、避難することができる場所、避難経路及び避難の方法について確認するよう努めなければならない。

(土砂災害対策)

第25条 市は、土砂災害から市民等の安全を確保するために、国、県及び防災関係機関と連携し、危険箇所の把握及び周知、警戒避難体制の整備等の総合的な土砂災害対策を推進するものとする。

(業務継続計画)

第26条 市は、災害が発生した場合における市民生活の安定を図るため、業務継続計画(市民生活に密接に関係する優先度の高い業務を継続し、又は早期に復旧させるため、災害対応業務及び必要通常業務の位置付け並びに関連性を明確にした計画をいう。以下同じ。)を策定するとともに、当該業務継続計画に係る訓練等を実施し、その実施状況を検証し、必要に応じて見直しを行うものとする。

2 前項の業務継続計画に定める重要な事項は、別に規則で定める。

3 市長は、災害及び災害対策により通常時に実施する市の業務を実施することができないとき又は実施するいとまがないときは、当該業務を休止し、業務継続計画に定めるところにより、市民生活に密接に関係する優先度の高い業務を優先することができる。

(石油コンビナート等の防災対策)

第27条 市長は、次に掲げる事業所(以下この条において「石油コンビナート等特定事業所」という。)と災害防止協定を締結するよう努めるとともに、当該災害防止協定に定めるところにより、防災計画書の提出を求めるものとする。

(1) 石油コンビナート等災害防止法(昭和50年法律第84号)第2条第6号に規定する特定事業所

(2) 石油コンビナート等災害防止法第2条第2号に規定する石油コンビナート等特別防災区域以外の区域に所在する事業所のうち、規則で定める基準を満たすもの

(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が特に必要と認める事業所

2 石油コンビナート等特定事業所は、前項の防災計画書に基づく防災対策の取組並びに緊急時の連絡体制及び避難体制について、近隣住民との情報の共有を図り、理解を深めるよう努めなければならない。

第3章 災害応急対策

(緊急輸送の確保)

第28条 市長は、災害が発生した場合においては、緊急通行車両等の通行を確保するため、直ちに、国、他の地方公共団体及び防災関係機関との調整を行うものとする。

2 市は、三重県公安委員会が法第76条第1項の規定による通行の禁止又は制限(以下「通行禁止等」という。)を行ったときは、市民等及び事業者に対し、当該通行禁止等の区間等の周知を迅速に行い、緊急輸送の確保に努めるものとする。

3 市民等及び事業者は、災害が発生した場合においては、通行禁止等が行われていない道路においても、避難するためにやむを得ない場合を除き、自動車(緊急通行車両等並びに道路交通法(昭和35年法律第105号)第3条に規定する自動車のうち、大型自動二輪車及び普通自動二輪車以外のものをいう。)の使用を控えることとし、緊急輸送の確保に協力するよう努めなければならない。

(応急体制の確立)

第29条 市は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合においては、災害による被害の軽減対策及び応急復旧措置を行うため、職員の配置等必要な応急体制を速やかに確立するとともに、国、県及び防災関係機関と連携して、必要な措置を講ずるものとする。

2 市民等及び事業者は、災害が発生した場合においては、相互に協力し、初期消火、被災者の救難及び救助その他の必要な措置を講ずるとともに、市が実施する災害応急対策に協力するよう努めなければならない。

(避難所の開設等)

第30条 市は、災害が発生し、又は発生するおそれのある場合は、避難者の支援のため、速やかに避難所を開設し、その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 市民及び市は、避難所における生活環境が良好に保たれるよう、自治会、自主防災組織等地域の関係者と連携し、適切に避難所を運営するとともに、要配慮者への配慮を踏まえた運営となるよう努めなければならない。

3 避難者は、避難所の円滑な運営に相互に協力するよう努めなければならない。

(医療救護体制の確立)

第31条 市は、災害が発生した場合においては、医療機関、医療関係団体、他の地方公共団体等と連携して、速やかに総合的な医療救護体制を確立し、傷病者の応急救護に当たるものとする。

(帰宅困難者への支援)

第32条 市及び事業者は、災害が発生した場合において、公共交通機関の運行停止等の理由により、市内における帰宅が困難になった者(以下「帰宅困難者」という。)の安全の確保、円滑な避難、待機及び帰宅を支援するために、情報提供、避難誘導等の必要な対策を講ずるよう努めるものとする。

2 帰宅困難者は、自らの安全を確保するため、むやみな移動を控えるよう努めるとともに、市及び事業者が実施する対策に協力するよう努めなければならない。

第4章 災害復旧・復興対策

(復旧・復興対策)

第33条 市は、災害により重大な被害が発生した場合は、国、他の地方公共団体、防災関係機関及び事業者と連携し、速やかに、被災した都市基盤施設等の復旧、市民生活の再建及び事業者の事業の継続又は再開のために必要な措置を講ずるとともに、都市及び地域経済の復興のための対策を実施するものとする。

2 市民等及び事業者は、災害により重大な被害が発生した場合は、相互に協力し、自らの生活の再建及び事業の継続又は再開に努めなければならない。

(復興体制の確立)

第34条 市は、復興対策を実施するために必要がある場合に、早期に災害復興対策本部を設置し、災害からの迅速かつ的確な復興を図る体制を確立するものとする。

2 市は、計画的に復興対策を実施するために、必要に応じて復興計画を作成するものとする。

3 市は、前項の復興計画の作成に当たっては、市民等、事業者、防災関係機関等の意見が十分に反映されるための必要な措置を講ずるものとする。

第5章 補則

(委任)

第35条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(見直し)

第36条 市長は、この条例の施行後4年を目途として、この条例の運用の実績等を勘案し、この条例の規定について検討し、必要があると認めるときは、条例の改正その他必要な措置を講ずるものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

四日市市防災対策条例

平成30年12月25日 条例第45号

(平成30年12月25日施行)

体系情報
第14類 消防、防災/第6章
沿革情報
平成30年12月25日 条例第45号