○四日市市空き家等の適正管理に関する条例
平成26年7月3日
条例第14号
(目的)
第1条 この条例は、空き家等の適正管理及び有効活用に関し、所有者等、市民等、事業者及び市の責務を明らかにするとともに、管理不全な状態にある空き家等に対する措置について定めることにより、空き家等が管理不全な状態になることの未然防止及び空き家等の管理不全な状態の解消を図り、もって市民の良好な住環境の保全及び安全安心なまちづくりの推進に寄与することを目的とする。
(1) 空き家等 市内に所在する建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)で、常時無人の状態にあるもの及びその敷地をいう。
(2) 管理不全な状態 次のいずれかに掲げる状態をいう。
ア 老朽化若しくは台風等の自然災害により建築物等が倒壊し、又は建築材等が飛散するおそれがある状態
イ 建築物等又はその敷地に不特定の者が侵入することにより、火災又は犯罪が誘発されるおそれがある状態
ウ 立木の著しい繁茂又は腐朽により周囲の住環境の保全上支障を生ずるおそれがある状態
(3) 所有者等 市内に所在する建築物等の所有者、管理者(法律の規定により建築物等の管理処分権限を付与された者に限る。)、占有者その他の建築物等を管理すべき者をいう。
(4) 市民等 市内に居住する者及びその団体、市内に通勤し若しくは通学する者又は市内で事業活動を行う法人その他の団体若しくは個人をいう。
(5) 事業者 市内において不動産業、建設業その他これらに関連する事業を営む者をいう。
(所有者等の責務)
第3条 所有者等は、自らの社会的責任を自覚し、空き家等が管理不全な状態にならないよう自己の責任において必要な措置を講じ、建築物等及びその敷地を常に適正に管理しなければならない。
(市民等の責務)
第4条 市民等は、空き家等の所有者等が自主的に行う空き家等の適正管理のための取組に積極的に協力するよう努めるものとする。
2 市民等は、適正に管理されず放置されていると推測される空き家等を発見したときは、その情報を市に提供するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、空き家等の所有者等及び市民等が自主的に行う空き家等の適正管理のための取組に積極的に協力するよう努めるものとする。
(市の責務)
第6条 市は、所有者等に対し、空き家等の適正な管理に関する意識の啓発を行うとともに、空き家対策に係る所有者等、市民等又は事業者の自主的な活動の促進を図るものとする。
(空き家等の有効活用)
第7条 空き家等の所有者等は、自ら利用する見込みがない空き家等を有効に活用するよう努めるものとする。
2 事業者は、空き家等の所有者等が自主的に行う空き家等の有効活用のための取組に積極的に協力するよう努めるものとする。
3 市長は、前2項の取組の促進を図るものとする。
(立入調査)
第9条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、職員に必要な場所に立ち入らせ、必要な調査をすることができる。
2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(助言又は指導)
第10条 市長は、空き家等が管理不全な状態にあると認めるときは、当該空き家等の所有者等に対し、その適正な管理を行うために必要な措置について、助言し、又は指導することができる。
(勧告)
第11条 市長は、前条の規定による助言又は指導を受けた空き家等の所有者等が、正当な理由なく当該指導に従わず、当該空き家等が著しく管理不全な状態にあると認めるときは、当該所有者等に対し、期限を定めて、その適正な管理のために必要な措置をとるよう勧告することができる。
(公表及び標識の設置)
第12条 市長は、所有者等が前条の規定による勧告(以下「勧告」という。)に係る措置をとらなかったときは、次に掲げる事項を公表するとともに、当該事項を記載した標識を当該空き家等の敷地に設置することができる。
(1) 当該所有者等の住所及び氏名(法人にあっては、主たる事務所の所在地並びに名称及び代表者の氏名)
(2) 当該空き家等の所在
(3) 勧告の内容
(4) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項
2 市長は、前項の規定により公表又は標識の設置をしようとするときは、事前に当該所有者等に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。
(命令)
第13条 市長は、所有者等が正当な理由なく勧告に従わないときは、当該所有者等に対し、期限を定めて、必要な措置をとるよう命ずることができる。
2 市長は、前項の規定により必要な措置を命ずるときは、事前に当該所有者等に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。
2 市長は、前項に規定する緊急安全措置を実施する場合は、空き家等の所有者等の同意を得て実施するものとする。ただし、市長が別に定める軽易な行為に該当する緊急安全措置を実施する場合においては、この限りでない。
3 市長は、第1項の緊急安全措置に要した費用を空き家等の所有者等に請求することができる。ただし、市長が別に定める軽易な行為に該当する緊急安全措置を実施した場合においては、この限りでない。
(代執行)
第15条 市長は、第13条の規定による命令を受けた者が、なお、当該命令に従わず、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところにより、自らその義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせ、その費用を義務者から徴収することができる。
(所有者等が確知できない場合の対応)
第16条 市長は、過失がなくて空き家等の所有者等を確知できない場合においては、土地の所有者その他の関係者に対し、協力を求めることができる。
2 市長は、過失がなくて空き家等の所有者等を確知できない場合において、当該空き家等が著しく管理不全な状態にあると認めるときは、次に掲げる事項を公表するとともに、当該事項を記載した標識を当該空き家等の敷地に設置することができる。
(1) 当該空き家等の所在
(2) 当該空き家等の状態
(3) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項
(民事による解決との関係)
第17条 この条例の規定は、管理不全な状態にある空き家等の所有者等と当該空き家等が管理不全な状態であることにより被害を受けるおそれがある者との間で、民事による事態の解決を図ることを妨げない。
(関係機関との連携)
第18条 市長は、この条例の施行上必要がある場合は、市の区域を管轄する警察署その他の関係機関と必要な措置について協議し、空き家等の管理不全な状態を解消するため必要な協力を要請することができる。
附則
この条例は、平成26年10月1日から施行する。