HOME >> 別冊 安全な農作物 2007/7月上旬
2003 YOKKAICHI
安全な農作物
安心・安全な農作物を食卓に
近年、健康志向とともに食の安全・安心への関心が高まっています。農産物の残留農薬やBSE(牛海綿状脳症)、高病原性鳥インフルエンザなど、私たちの食生活に不安を与える問題への関心もクローズアップされました。このような中、生産者の安全・安心への関心も高く、安全な農産物を提供するためにさまざまな取り組みが行われています。
安全・安心への生産者の取り組み
 最近、生産者の顔が見え、より安全・安心な地元の農産物を求めようとする消費者が増えてきました。それに応えるため、市内では農産物直売所が各所に設けられ、スーパーなどにも地元農産物のコーナーがあり、生産者の顔写真や農産物の生産履歴を紹介するなど、消費者が農産物の素顔を知る機会が多くなってきました。
  安全・安心に取り組む生産者も増え、従来よりも化学農薬や化学肥料の使用を減らした栽培をする「エコファーマー」に認定されている生産者が市内で80人にのぼります。また、昨年5月にすべての農薬について、食品への残留基準を設けた「ポジティブリスト制度」が施行されましたが、市内では基準を超えた農薬が検出されたことはありません。
  さらに、減農薬減化学肥料栽培に加え、天敵を利用した害虫駆除や環境に配慮した資材を使うなど、安全・安心で環境に優しい農産物の生産を行う技術の普及が進んでいます。
【エコファーマー】
環境に優しい持続的な農業生産方式(たい肥などによる土づくりと化学肥料、農薬の使用を減らした生産方式を一体的に行う)に取り組んでいるとして、県知事から認定された農業者。
【みえの安心食材】
県が認定するもので、化学肥料や化学農薬の使用を減らすなど、人と自然に優しい方法で栽培された生産物。生産物には認定シールが貼られ、登録番号から生産情報を知ることができる。
(ホームページ http://www.mie-ansinsyokuzai.org
「みえの安心食材」認定シール
「みえの安心食材」
認定シール
市の特産品「かぶせ茶」で食品安全の国際規格認証を取得予定
農事組合法人水沢かぶせ会製茶共同組合
(原 藤雅さん ほか6人) 
 水沢かぶせ会では、地元の茶農家が栽培した生葉を加工する茶工場を経営しています。お茶は、化学肥料を使わず、小豆や菜種のカス、米ヌカのボカシなど、有機肥料を使って栽培し、年間約700トンの生葉を加工しています。
  消費者の皆さんに安心してお茶を飲んでもらうため、茶葉の栽培からお茶の出荷まで、GAP(※1)を取り入れて工程別のリスク管理を行ない、茶工場内ではHACCP(※2)に基づいた品質・衛生管理を行っています。これらのシステムを、いち早く導入した水沢かぶせ会の安全・安心に対する姿勢は高く評価され、茶問屋からの信頼も厚く、茶市場での評価も上々です。
  近く、食品安全の国際規格であるISO22000(※3)を取得するための準備も進めています。
(※1) GAP:適正農場管理規範
農業生産現場において、生産工程ごとにリスク低減のための管理ポイントを整理・実践・記録し、改善を行う取り組み
(※2) HACCP:危害分析重要管理点方式
食品の衛生管理手法の一つで、アメリカで宇宙食の安全性を確保するために考案された。食品製造工程中の危険因子を特定し、特に重要な工程を監視することにより、製品の安全性を保証するシステム
(※3) ISO22000:食品安全マネジメントシステムの国際規格
品質マネジメントシステム(ISO9001)をベースに、GAPやHACCPなどを加えて2005年9月に発効した
有機肥料でおいしく安全・安心なトマトを栽培
上杉弘文さん(貝家<かいげ>町) 
 上杉さんは2カ所のビニールハウスで、トマトを栽培しています。収穫は12月上旬から翌年7月上旬まで。秋に苗を植え付ける前に、夏場に土壌消毒をします。土壌処理は夏の間中、ハウス内を密閉し、ビニールで床一面を覆い地温を高く保つことで、農薬に頼らない丈夫なトマトが順調に育つ土壌ができます。肥料にゴマカスや骨粉、魚カスなどの有機肥料を使い、水分を制限することにより、甘みと酸味のバランスのとれたコクのあるトマトが収穫できます。「エコファーマー」と「みえの安心食材」両方の認定を受けている上杉さんのトマトは収穫の約70%が8店舗ある農協の直販所「四季菜」で名前と顔写真付きで紹介されており、新鮮でおいしいと大評判です。
生産者と消費者の交流を通じ安全・安心な地産地消をバックアップ
 市では、地元の農水畜産業への理解を深めるために、生産現場を訪れるバスツアーや農業体験などを開催し、生産者と消費者の交流の機会を設けています。栽培や加工の現場を見たり、生産者との会話を通じて、食材がどのように作られるのかを知り、食の安全・安心への関心と理解を高めています。 産地を訪ねての農業体験
産地を訪ねての農業体験
 

●詳しい内容は、ホームページでご覧いただけます。
  http://www.city.yokkaichi.mie.jp/nourin_suisan/

●この特集についてのお問い合わせは  農水振興課 TEL354‐8180
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