乳癌化学療法(抗がん剤治療)を受けられる患者様へ

脱毛に対する 『頭皮冷却』 という選択肢

抗がん剤治療の目的

多くの乳癌は全身病であり、見つかった腫瘍を全て切除しても、血管やリンパ管を通じ、小さな癌細胞が全身に散らばっている可能性があります。
抗がん剤治療は、全身に散らばった可能性のある癌細胞を死滅させ、転移による再発を防ぐ、非常に大切な治療法です。手術後の抗がん剤治療によって、再発率・死亡率が低下します。

女性にとって「頭髪の脱毛」は非常に辛いもの

抗がん剤は、癌細胞を攻撃し死滅させますが、同時に正常な細胞まで攻撃をしてしまいます。
その結果、副作用によって脱毛などが生じ大きなストレスになっています。
国立がんセンターのアンケート(右図)では、「脱毛」の苦痛度が最も高く、「乳房切除」を上回っており、脱毛によるストレスが最も大きな問題である事が表れています。
いったん脱毛しても化学療法が終了すれば徐々に毛髪は再生する場合がほとんどです。しかし一部の方では部分的な薄毛が継続することや、稀には永久脱毛となる方もいらっしゃいます。

2009年国立がん研究センター中央病院 アンケート

頭皮冷却冷却装置

マイナス4度に冷却した液を冷却キャップ内に循環させ化学療法中に頭皮を冷却することによって脱毛を予防します。 化学療法開始の30分前から装着し、治療中と投与終了後90分まで装着する必要があります。またキャップを装着するまえに毛髪を濡らす、日常生活でもヘアケアに留意していただく事で毛髪温存の成功率が上がるといわれています。

装置について

頭皮冷却冷却装置

必ず脱毛を抑制できる訳ではありません

頭皮冷却による脱毛抑制効果(ウィッグが不要な程度の脱毛に抑えられる割合)は海外のデータによると、使用する抗がん剤の種類にもよりますが、40%~60%です。 個人差もあり、全ての患者様の脱毛が抑制出来る訳ではない点に注意が必要です。
※脱毛してしまったとしても、冷却を継続する事で、再発毛までの期間が短くなるといったデータも発表されています。
また、頭皮冷却を行う場合、装置使用代などの費用が必要です。
抗がん剤治療は、全身に散らばった可能性のある癌細胞を死滅させ、転移による再発を防ぐ、非常に大切な治療法です。手術後の抗がん剤治療によって、再発率・死亡率が低下します。

費用

冷却キャップおよび装置使用の費用は、保険診療とは別に、18,000円/回のお支払いが発生します。

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