Surgical

外科

診療方針

 当科は、一般消化器外科のみならず内分泌外科、血管外科、移植外科、小児外科にわたる広い領域を診療対象としています。それぞれの領域に専門医を配し、全国的にみても遜色のない診療レベルを維持しています。
また、緊急手術にも対応できる体制を整えています。

主な疾患・診療内容

食道外科

 食道癌は食道という管状の臓器が首から胸の中にあること、他の癌腫にくらべ悪性度が高いため治療が難しいことが特徴です。進んだ状態で見つかっている進行食道癌の治療は最初に抗がん剤治療を行い、その後に手術を行うことが標準治療とされています。当院でも食道癌診療ガイドラインに準拠して術前抗がん剤治療、手術治療を行っています。食道切除の手術は体への負担も大きく、手術を行う外科医のほか、麻酔科医による術中管理と集中治療室管理、看護師や管理栄養士による栄養管理、理学療法士や言語療法士による術前術後リハビリテーション、薬剤師による薬剤管理など多職種で患者様の回復を手厚くサポートしています。また不幸にも手術切除不能や術後再発した患者さんは放射線治療、抗がん剤治療や免疫チェックポイント阻害薬治療を行うことになりますが、放射線科医、消化器内科医、薬剤師とも連携を密に治療を行っています。

胃外科

 当科では年間40~70例ほどの胃の外科手術を行っています。早期発見されている胃癌に対しては手術創を小さくできる手術用カメラをつかった鏡視下手術(腹腔鏡手術や手術支援ロボット手術)を積極的に導入し、患者様の負担を軽減しつつより緻密な手術ができるように心がけています。進んだ状態で見つかってしまった大きな進行胃癌は根治性(癌をきれいに切除すること)を優先し開腹手術も行っております。

 胃癌の患者さんは近年減少傾向にありますが、外科切除できない転移をともなった進行癌の患者さんもいます。そのような患者さんでも胃癌治療ガイドラインに準拠した最新の抗がん剤治療や免疫チェックポイント阻害薬治療も積極的におこなっております。ご高齢の方が増えつつあり、必ずしも上記の標準治療に耐えられない方も見えます。その場合はご本人にあった治療を検討させていただきます。

大腸外科

 大腸外科では主に大腸癌に対する手術を行っています。当院では毎年150例以上の大腸癌の手術を行っています。手術では癌を確実に切除するとともに、手術による患者さんへの負担を軽減するために、積極的に腹腔鏡下手術を行っており、現在ではほとんどの患者さんに対して腹腔鏡下手術が行われています。これにより術後早くからの活動、早期退院が可能になっています。大腸癌のうち直腸癌に対する手術には低侵襲手術支援ロボット「da Vinci」を導入しており、さらに精緻な手術が可能となっています。癌の進行度などの病状によっては従来の開腹による切除術を選択するなど最善の治療法をご提案します。

 近年、大腸癌に対する抗癌剤治療の進歩はめざましく、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などの新しい薬剤の導入や、抗癌剤治療と手術を組み合わせた集学的治療にも対応しています。また、痔をはじめとする肛門の病気、お悩みに対する診療、数日間の入院による手術、切らない治療(硬化療法)などにも対応しています。

肝胆膵外科

 肝切除・膵切除に関しては多数の手術実績を誇ります。原発性肝癌はもとより、大腸癌肝転移についても多発転移症例であっても根治が見込まれる場合には積極的に拡大切除を行っております。近年増加しつつある膵癌・胆管癌に関しては、門脈の切除再建を含む膵頭十二指腸切除を行っております。腹腔鏡下手術も積極的に取り入れており、肝臓では腹腔鏡下肝部分切除、肝区域切除、肝葉切除、膵臓では腹腔鏡下(脾臓温存)膵体尾部切除を行っています。

鼠径ヘルニア手術

 95年より、全国に先駆け最新の手術であるメッシュプラグ法を採用し、既に5000例近くの経験を有しています。98年より、1泊2日による日帰り手術も開始し、中日新聞にも取り上げられ反響を呼びました。手術後の歩行は1時間後より可能で、翌日の午前9時には退院となり、軽い仕事であれば、すぐに現場復帰可能です。また、近年注目されている腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術も、特に若年者を対象に積極的に採用しています。多くの経験から、患者さんに最も適した手術法を提案させていただきます。
 ヘルニアでお悩みの方は、ぜひ当院外科をおたずねください。

血管外科

 当科では、服部副部長が中心となり、腹部および下肢の動脈や静脈の疾患の診療を行っています。特に、腹部大動脈瘤に対してはステントグラフト内挿術を、動脈硬化による下肢の血流障害に対してはカテーテル治療を、さらに下肢静脈瘤の治療に対しては1470nmレーザー治療を行うことができます。からだの負担の少ない治療を第一に考えて提示します。また、従来の人工血管置換術やバイパス手術にも精通しています。なお緊急手術には、24時間対応できる体制をとっております。

腎臓移植

 94年8月第1例目の腎臓移植を行って以来、2017年8月までに献腎移植23例、生体腎移植57例の計80例を経験しています。術後成績は全国平均とほぼ同等であり、多くの方が社会復帰されています。当院では、2008年より院内標榜科として「移植外科」が開設され、外科蜂須賀、泌尿器科橋本を中心に愛知医科大学腎移植外科の小林孝彰教授の協力を得て、生体および献腎移植を行っています。腎移植は近年薬剤の進歩に伴い生着率が飛躍的に向上し、しかも夫婦間やABO血液型不適合での移植も可能になりました。また、一度も透析をせずに直接移植を行う例も増えています。
 移植に関心のある透析患者さん、透析前の腎不全患者さんは、ぜひ一度蜂須賀の外来をお訪ね下さい。

小児外科

 名古屋大学小児外科の医師が毎週金曜日午後に小児外科専門外来を行っています。鼠径ヘルニアから特殊な小児疾患まで専門医が診療し、金曜日午前に手術を行います。ほぼ全例に腹腔鏡下手術を施行しております。
また、緊急手術にも対応いたします。

甲状腺・内分泌外科

 藤田保健衛生大学外科内分泌外科日比教授の専門外来を毎週月曜日午前に開設し、また手術は日比教授の指導のもと甲状腺癌やバセドウ病、副腎腫瘍など専門的な手術を年間30例ほど行っています。

施設認定

  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本内分泌外科学会
  • 日本甲状腺外科学会
  • 日本甲状腺学会
  • 日本心臓血管外科学会
  • 日本臓器移植ネットワーク
  • 日本がん治療認定医機構認定研修施設

医師紹介

蜂須賀 丈博

はちすか たけひろ

蜂須賀 丈博

役職

副院長・臨床研修部長

所属学会・
資格

  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 日本移植学会専門医
  • 日本臨床腎移植学会専門医
  • 日本ヘルニア学会理事長

専門分野

一般外科、移植外科

丸山 浩高

まるやま ひろたか

丸山 浩高

役職

外科部長

所属学会・
資格

  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • がん治療暫定教育医

専門分野

消化器外科

服部 圭祐

はっとり けいすけ

役職

外科副部長

所属学会・
資格

  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本心臓血管外科学会専門医
  • 腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
  • 血管内レーザー焼灼術指導医
  • 日本脈管学会認定脈管専門医
  • 浅大腿動脈ステントグラフト実施医

専門分野

血管外科

寺本 仁

てらもと ひとし

役職

外科副部長・消化器外科部長

所属学会・
資格

  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器外科学会専門医
  • Certificate of da Vinci System Training(First Assistant)

専門分野

消化器外科、一般外科、内視鏡外科

江坂 和大

えさか かずひろ

役職

外科副部長

所属学会・
資格

  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器外科学会専門医
  • 日本がん治療認定医
  • 日本消化器外科学会認定医
  • 消化器がん外科治療認定医
  • 日本大腸肛門病学会専門医
  • 日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器/一般外科領域 大腸)
  • ロボット支援手術プロクター(直腸)
  • Certificate of da Vinci System Training(Console Surgeon)

専門分野

消化器外科、内視鏡外科

田中 伸孟

たなか のぶたけ

役職

外科副部長

所属学会・
資格

  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器外科学会専門医
  • 日本消化器癌外科治療認定医
  • 日本肝胆膵外科学会高度技能専門医・評議員
  • 日本DMAT隊員

専門分野

肝胆膵外科

野田 裕俊

のだ ひろとし

役職

医員

所属学会・
資格

  • Certificate of da Vinci System Training(First Assistant)

専門分野

一般外科

河野 慎

かわの しん

役職

医員

所属学会・
資格

  • Certificate of da Vinci System Training(First Assistant)

専門分野

一般外科

日比 八束

ひび やつか

役職

嘱託医師

所属学会・
資格

  • 藤田医科大学医学部内分泌外科教授
  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本内分泌外科学会専門医・理事
  • 日本内分泌学会評議員
  • 日本甲状腺学会専門医
  • 日本乳癌学会認定医
  • 甲状腺腫瘍診療ガイドライン編集委員
  • 副甲状腺機能亢進症診療ガイドライン作成委員会委員長
  • 日本外科学会邦文誌編集委員
  • 日本内分泌外科学会雑誌編集委員
  • 甲状腺癌取り扱い規約委員
  • 二次性副甲状腺機能亢進症に対する PTx 研究会幹事

専門分野

内分泌外科

滝本 愛太朗

たきもと あいたろう

役職

嘱託医師

所属学会・
資格

  • 日本外科学会専門医

専門分野

小児外科

安井 昭洋

やすい あきひろ

役職

嘱託医師

所属学会・
資格

  • 日本外科学会専門医

専門分野

小児外科

外来診察予定表

外来診察予定表

月曜 火曜 水曜 木曜 金曜
午前

日比(内分泌)
田中
江坂
野田

中村
服部(血管外科)

蜂須賀副院長
服部(血管外科)
寺本

横井(勇)

蜂須賀副院長
寺本(第1,3,5週目)
野田(第2,4週目)
横井(啓)

南雲
河野
田中

午後 日比(内分泌)※
丸山
江坂
野田
中村 蜂須賀副院長
服部(血管外科)
寺本
横井(勇)
蜂須賀副院長
寺本(第1,3,5週目)
野田(第2,4週目)
横井(啓)

南雲

河野

田中
大学医師
(小児外科:予約)

診療受付:午前8:30〜午前11:30、午後13:00〜16:00
※令和6年10月以降、外科・月曜・日比医師による初診は、完全予約制になります。
 病診連携による(かかりつけ医から)予約および、診療情報提供書が必要です。

一般外来、消化器外科

月~金:8:30~11:30

小児外科

金:13:30~16:30
※病診連携による予約のみ、紹介状が必要です。

移植外科

水、木:8:30~11:30

甲状腺外科、内分泌外科

月:8:30~11:30

血管外科

火、水:8:30~11:30

診療実績

2022年

入院疾患の概要

手術総数(全身麻酔、腰椎・硬膜外麻酔例)1,184例

食道癌 5例
胃癌 58例
大腸癌 131例
肝・胆・膵癌 26例
鼠径ヘルニア 152例
胆石症 98例
血管外科 158例
腎移植 2例
甲状腺外科・内分泌外科 22例
主疾患治療プロトコール(クリニカルパスによる入院期間)

手術総数(全身麻酔、腰椎・硬膜外麻酔例)1,184例

胃癌 胃全摘術 15日
幽門側胃切除術 13日
大腸癌 大腸癌手術 10日
腹腔鏡下胆嚢摘出術 2日
鼠径ヘルニア 1日