産婦人科

診療方針

 当院は、三重県下2施設ある総合周産期母子センターのひとつであり、県下では唯一、高度救命救急センターおよび総合周産期母子センターを有する施設で、最重症妊産婦受入施設として母体救命症例を受け入れています。また、人口の集中する北勢地区の妊産婦搬送症例を、県立総合とともにカバーしています。

 産婦人科病棟の病床数は34床であり、うちMFICU(母体胎児集中治療室)は6床となっております。新生児科はNICU(新生児集中治療室)9床、GCU(新生児回復室)12床の体制です。分娩件数は年間概ね500〜600件程度で、母体搬送は70〜80件、手術件数500〜600件となっております。

 腹腔鏡手術やロボット支援手術を合わせて低侵襲手術といいます。当院では、低侵襲手術にも注力しており、年間概ね200件超の低侵襲手術を行なっております。良性卵巣腫瘍のほとんどと、子宮腫瘍の多く(子宮筋腫など)、子宮体がんの一部が腹腔鏡で手術可能です。当院では内視鏡技術認定医の指導のもと、多くの種類の手術を腹腔鏡で行っています。

主な疾患・診療内容

産科

 総合周産期母子センターとして24時間体制で緊急母体搬送の受け入れをしています。当院で取り扱う分娩数は年間約500〜600件です。現在分娩数の制限は行っていません。総合周産期母子センターであるため、40歳を超える高齢初産、糖尿病、甲状腺機能異常、膠原病、血液疾患、喘息、不整脈、100kgを超える肥満といった内科合併症を有する妊婦さんが多いのが特徴です。分娩管理を厳重に行い適切な分娩方法を選択しています。積極的な計画分娩や無痛分娩は行っていません。小児科医と協調して周産期管理、母体搬送の増加と共に帝王切開率が40%前後と上昇しています。

婦人科

 年間手術件数(産科手術を含む)は約500〜600件です。当院では、低侵襲手術にも注力しており、年間概ね200件超の低侵襲手術を行なっております。腹腔鏡手術およびロボット支援手術は従来の開腹手術にくらべて、傷が小さく手術後の痛みが少ない,術後の腹腔内癒着が少ない,入院期間が短縮でき早期の社会復帰が期待できる,傷跡が開腹手術に比べ小さいため美容性に優れるといったよい点がたくさんあります。良性卵巣腫瘍のほとんどと、子宮腫瘍の多く(子宮筋腫など)、子宮体がんの一部が腹腔鏡で手術可能です。当院では内視鏡技術認定医の指導のもと、多くの種類の手術を腹腔鏡で行っています。

 悪性腫瘍手術は年間60件前後です。婦人科の症例は毎週術前にカンファレンスを行い、症例を検討して治療方針を決めています。悪性腫瘍などでは子宮や卵巣外に進行した腫瘍をできるだけ残存が無いように摘出するために、消化器外科、泌尿器科にも協力を依頼して予後の向上を目指しています。当科ではがん患者さんには病名告知を原則とし、婦人科だけでなく放射線治療医や緩和ケア医、薬剤部とも相談しつつ手術、放射線、化学療法などの治療方法を検討し、説明と同意を得ながら進めていく医療を心がけています。腫瘍の治療以外にも緩和ケアチーム、NSTの介入やがんリハビリテーションを行いながら精神的なケアや日常生活への復帰を目指せるようサポートできる体制となっています。良性疾患では、患者さんのQOLを考え、より低侵襲な腹腔鏡や膣式手術(子宮脱手術)を行うようにしています。

 当院は、総合周産期母子医療センター、日本産科婦人科学会専門医制度専攻医指導施設、日本周産期・新生児医学会専門医制度基幹施設、日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設、日本婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設です。周産期医療や産婦人科内視鏡手術の経験が豊富な医師を中心として診療を行っています。

市立四日市病院産婦人科腹腔鏡手術年次推移
腹腔鏡手術 術式別

施設認定

  • 総合周産期母子医療センター
  • 日本産科婦人科学会専門医制度専攻医指導施設
  • 日本周産期・新生児医学会専門医制度基幹施設
  • 日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
  • 日本婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設

医療設備

  • 超音波診断装置 11台(Voluson Expert 22 , Voluson E10 , Voluson P8 等)
  • 内視鏡カメラシステム 2台
    (ストルツ4K内視鏡カメラシステムIMAGE1S、オリンパス内視鏡システムVISERA ELITE)
  • 低侵襲手術用ロボット(da Vinci Surgical System(ダビンチ・サージカルシステム))

関連リンク

妊婦さん、妊娠を考えている方で、薬に関する専門相談を三重大学医学部産婦人科にて実施しております。詳しくは「妊娠と薬外来」をご確認ください。

ドクターインタビュー

関連ページ

医師紹介

長尾 賢治

ながお けんじ

長尾 賢治

役職

部長・周産期母子医療センター長

所属学会・
資格

  • 三重大学医学部臨床講師
  • 日本産科婦人科学会指導医
  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡技術認定医
  • 日本内視鏡外科学会技術認定医
  • 母体保護法指定医
  • 難病指定医
  • NCPRインストラクター
  • 三重県警察性犯罪被害者診察医師
  • 日本日本周産期・新生児医学会 周産期専門医(母体・胎児)暫定代表指導医
  • 身体障害者障害程度認定医師
  • ダ・ヴィンチ手術者資格
    (certificate of da Vinci console surgeon)
  • 日本ロボット外科学会 国内B級認定
  • 厚生労働省認定臨床研修指導医
  • 三重県産婦人科医会副会長
  • 三重県社会保険診療報酬請求書審査委員会審査委員
  • 三重県医療審議会周産期医療部会専門委員
  • 四日市医師会母子・乳幼児保健委員会委員
  • 四日市医師会健康管理委員会委員

専門分野

産婦人科全般

谷田 耕治

たにだ こうじ

役職

副部長

所属学会・
資格

  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 日本がん治療認定医
  • 日本婦人科腫瘍学会専門医

専門分野

産婦人科全般

前川 剛輝

まえがわ ごうき

役職

副医長

所属学会・
資格

  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 母体保護法指定医

専門分野

産婦人科全般

小林 奈津子

こばやし なつこ

役職

副医長

所属学会・
資格

  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 母体保護法指定医
  • ダ・ヴィンチ手術助手資格

専門分野

産婦人科全般

平野 晶大

ひらの あきひろ

役職

医員

専門分野

産婦人科全般

金 美希

きん みき

役職

医員

所属学会・
資格

  • ダ・ヴィンチ手術助手資格
  • J-CIMELSベーシックコース修了
  • NCPR「専門(A)」コース修了
  • 緩和ケア研修 修了

専門分野

産婦人科全般

柿原 杏那

かきはら あんな

役職

医員

専門分野

産婦人科全般

中尾 莉子

なかお りこ

役職

医員

所属学会・
資格

  • ダ・ヴィンチ助手資格
  • J-CIMELSベーシックコース修了

外来診察予定表

外来診察予定表

月曜 火曜 水曜 木曜 金曜
午前 中尾
(再診)(第1,3,5週目)

(再診)(第2,4週目)

(初診)(第1,3,5週目)
中尾
(初診)(第2,4週目)
前川(再診)
柿原
(再診)(第1,3,5週目)
小林
(再診)(第2,4週目)
小林
(初診)(第1,3,5週目)
柿原
(初診)(第2,4週目)
中尾
長尾(再診)
平野
(初診)(第2,4週目)
谷田
(初診)(第1,3,5週目)
母体胎児診断センター(14:00~16:00)
(再診)
前川(初診)
平野
谷田(再診)
柿原(再診)
長尾(初診)
小林(再診)
午後
産後2週間健診・母乳育児外来 産後2週間健診・
母乳育児外来
(9時、13時、14時、15時)
産後2週間健診・
母乳育児外来
(13時、14時)
産後2週間健診・
母乳育児外来
(9時、13時、14時、15時)

診察日:月~金
新患、妊婦診察、再来は毎日
受付時間:8:30~11:30
※当院は、リスクの高い妊娠・分娩を取り扱う「総合周産期母子医療センター」に指定されています。周産期医療の機能分担を図るため、リスクの低い(医師より妊娠に関連する異常を指摘されていない)方は他の診療所等を受診していただくようご協力ください。

診療実績

令和4年

分娩数 500
 うち帝王切開 212
良性疾患 子宮全摘術 24
良性卵巣腫瘍手術 2
筋腫核出術 9
腹式良性手術 2
子宮脱 子宮全摘+腟壁形成 20
その他 腟式子宮全摘 0
子宮鏡下手術 26
腟式良性手術 その他 18
腹腔鏡下手術 203
 全腹腔鏡下子宮全摘術 73
 腹腔鏡補助下膣式子宮全摘術 0
 腹腔鏡下子宮筋腫核出術 13
 腹腔鏡下卵巣腫瘍手術 68
 腹腔鏡下子宮外妊娠手術 9
 腹腔鏡手術 その他 1
 ダビンチ手術(良性疾患) 22
頸癌 円錐切除術 27
CIN3 全腹腔鏡下子宮全摘術 2
CIN3 ダビンチ手術 3
頸癌 腹式単純子宮全摘術 0
頸癌 準広汎子宮全摘術 0
頸癌 広汎子宮全摘術 0
子宮体癌 リンパ節廓清なし 7
子宮体癌 リンパ節廓清あり 2
子宮体癌(腹腔鏡) 6
卵巣癌 リンパ節郭清なし 9
卵巣癌 リンパ節郭清あり 0
卵巣癌 腹腔鏡下組織採取 6
その他 悪性腫瘍手術 1