中央検査室

中央検査室のご紹介

中央検査室では大きく分けると、検体検査、輸血検査、生理検査をおこなっています。検体検査は患者さんから採取された血液や尿など(検体)を用いて検査を行います。検体検査には、生化学免疫検査、血液検査、一般検査、細菌検査、病理検査の各部門があります。輸血検査は、輸血関連検査と血液製剤の発注業務、血液製剤の保管管理業務を実施しています。生理検査は患者さんに検査室に直接来て頂いて行い、心電図検査、超音波検査、脳波検査などを実施しています。 患者様のお身体を様々な方法で調べる事で病気の早期発見・診断・治療効果の判定に貢献しております。

検体検査

生化学・免疫検査室

生化学・免疫検査部門では、患者さんから採血した血液を使用して体内の糖成分、含窒素成分、酵素や脂質、ホルモンや感染症、腫瘍マーカーを検査しています。

検査項目
糖成分 血糖、HbA1c、1.5AG、グリコアルブミン、インスリン、CPR
含窒素成分 BUN、クレアチニン、尿酸、アンモニアなど
酵素 AST、ALT、ALP、LD、CK、CK-MB、AMY、P-AMY、GGT、ChEなど
脂質 T-cho、HDLコレステロール、LDLコレステロール、TGなど
腫瘍マーカー AFP、CEA、CA19-9、CA125、PSA、SCC、シフラ、ProGRP、CA15-3、PIVKAⅡなど
ホルモン TSH、FT4、FT3、TRAb、インタクトPTH、ACTH、コルチゾール、BNPなど
感染症 HBsAg、HCV、HIV、梅毒TP、RPR、HBsAb、HBcAb、HTLV-1など
蛋白類 TP、Alb、IgG、IgA、IgM、C3、C4、CH50など
炎症マーカー CRP、PCTなど
電解質・金属 Na、K、Cl、Ca、IP、Mg、Fe、Znなど
その他 Fer、UIBC、RF、β2-MG、sIL-2R、KL-6、Mb、MMP-3、LRG、IgEなど

血液・凝固検査室

血球数測定装置 XN-9000

血液凝固測定装置 CS-5100

何を調べるところなの?

血液は、固形分の血球成分と液体の血しょう成分からできています。
血液検査では、血球成分(赤血球、白血球、血小板)の数の計測・種類の分類を行っています。
凝固検査では、出血した時に血を固める血しょう成分の働きと、その調節機能を調べています。

どんな検査項目があるの?
血液検査
  • WBC(白血球数)
  • RBC(赤血球数)
  • HGB(ヘモグロビン)
  • HCT(ヘマトクリット)
  • MCV(平均赤血球容積)
  • PLT(血小板数)
  • RET(網赤血球数)
  • 血液像
凝固検査
  • PT
  • APTT
  • フィブリノーゲン
  • アンチトロンビンⅢ
  • D-ダイマー定性
  • PLT(血小板数)
  • RET(網赤血球数)
  • 血液像
  • D-ダイマー定量
  • PIC
  • SFMC(可溶性フィブリンモノマー複合体)
それらの項目から何がわかるの?
    • 赤血球にはヘモグロビンという色素が含まれています。
      ヘモグロビンが酸素をくっつけて全身に運搬しています。 その為、ヘモグロビンが減ってくると(この状態を"貧血"と言います)、 酸素が全身に行き渡らない為に、疲れやすくなったり、めまいが起こったりします。
    • 白血球は感染等から身体を守る働きをしています。
      白血球と一口に言っても好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球などいろいろ な種類があって、その働きも違います。白血球数の増減や、その種類の割合(血液 像とか分画といいます)を調べることで、その変化が、感染症などの影響からなのか、血液疾患などの造血障害の影響からなのかをおおよそ把握することができます。
    • 血小板には止血作用が有ります。
      血小板数が極端に減ったり、機能が低下すると出血しやすくなります。 逆に、血小板数が増加したからといって、直ちに血管がつまりやすいというわけでもありません。血小板は傷の治りにも重要な働きをしています。
    • 出血した時に血を止める働き
      出血した時に血を止める働きには、血小板の止血作用と、何種類かの血しょう成分が関わって血を固める(凝固といいます)作用とがあります。また、固まった血を溶かす(線溶といいます)成分も血しょう中にあるので、血が固まったままというわけではありません。これらがバランスよく働くことで出血した時に元の状態に治っていくわけです。
      凝固検査をすることによって、血液の固まる力と溶かす力が解ります。
      その為、手術前の検査として使われたり、治療(血栓症など)の経過観察にも使われたりしています。
他にも何か調べているの?

当院には、血液疾患の患者様もたくさんみえます。そこで次の様な追加検査を院内で行っています。

*骨髄像・・・造血能の検査
*好中球アルカリフォスファターゼ染色・・・好中球の機能検査
*赤血球抵抗試験・・・溶血検査
*ショ糖溶血試験・HAM試験・・・溶血検査
*補正試験(PT・APTT)・・・凝固異常の原因推測検査
*血小板凝集能・・・血小板の機能検査の1つです。2021年5月から、凝固測定装置CS-5100を用いて検査しています。
ADP、コラーゲンの2薬剤についての薬効を評価できます。

一般検査室

最も古典的な検査として古くから日常検査で実施している検査で、痛みを伴わないで採取できる尿や便という材料を用います。
でもそれだけではなく髄液・穿刺液(腹水、胸水など)・精液などの特殊な材料でも検査をしています。

  • 尿検査には、定性検査と尿沈さがあります。

    尿自動分析装置US2000

    尿定性検査は試験紙法という方法で簡単に調べられます。
    PH・比重・蛋白・糖・ケトン体・ビリルビン・ウロビリノーゲン・潜血反応・亜硝酸塩・白血球の10種を機器(CLINITEK500)判定でおこなっています。

    1-正常尿

    2-蛋白尿

    尿沈さ自動分析装置

    尿沈さは尿中有形成分を分析装置でスクリーニングした後、異常が見られた検体について顕微鏡で鏡検します。
    尿中の主な細胞には血球類(赤血球・白血球)や膀胱・尿路系などから剥離された上皮細胞や細菌などが見られます。

  • 糞便検査

    便に血液が混入しているかどうか調べるヒトヘモ・寄生虫の卵を調べる虫卵検査があります。

  • 髄液検査

    細胞数・細胞種類・蛋白・糖・クロールなどを測り、髄膜炎・脳炎の診断や治療経過、中枢神経系の病態を知るための検査です。

  • 穿刺液検査

    腹水や胸水などの体腔穿刺液の細胞数・蛋白・比重など一般的な性状を測ります。
    関節液を顕微鏡でみることで、痛風などの関節炎の原因となっている結晶を調べることができます。

  • 精液検査

    精子数・運動率・奇形率を算定することで、精液中の精子の能力が解ります。

  • POCT

    尿中肺炎球菌抗原・レジオネラ・インフルエンザ・アデノウイルス・RSウイルス・β溶レン菌・マイコプラズマ・ヒトメタニューモウイルス・便中ロタウイルス・便中アデノウイルスの検査を行っています。

尿で何が分かるの?

定性試験からは腎機能、糖代謝、酸塩基平衡に関する情報が得られます。
尿沈さ検査からは尿中の有形成分が検出されると、腎・尿路系疾患の病態を推定することができます。

便で何が分かるの?

便に含まれる血液を検出することにより消化管などの出血の有無が解ります。
寄生虫卵を見つける事で、腸管寄生虫病の診断ができ、また駆虫など治療の効果の判定も行います。

細菌検査室

感染症の原因となる微生物には、細菌・真菌・ウイルスなどがあります。
発熱・腫れ・下痢などの症状があり、感染症が強く疑われる場合に、その原因となっている菌を特定し、どのような薬剤が効くのかを調べているのが細菌検査室です。
当細菌検査室では、中でも細菌・真菌の検査を中心に行っています。

検査紹介

主な検体
  • 喀痰・鼻腔・咽頭粘液・血液・膿・尿・便など
  • グラム染色

細菌の大きさは1mmの1/1000ほどで肉眼では見ることができないので、 顕微鏡を用い、細菌を400~1000倍に拡大して見ています。
また、検体を染色(グラム染色)することにより、細菌の有無・菌の形・配列を観察します。細菌は染色性と形態を基に、大きく4種類に分類することが できます。

  • グラム陽性球菌(GPC):紫の球状の菌(ブドウ球菌・腸球菌など)
  • グラム陰性球菌(GNC): 赤い球状の菌(淋菌・髄膜炎菌など)
  • グラム陽性桿菌(GPR): 紫の棒状の菌(バチルス菌など)
  • グラム陰性桿菌(GNR): 赤い棒状の菌(大腸菌・肺炎桿菌など)

グラム陽性球菌

グラム陰性球菌

グラム陽性桿菌

グラム陰性桿菌

菌の形・染色性の違いは、治療をする上でとても大切な情報となります

培養検査(菌を増殖させる)

検体を、栄養が豊富に含まれた寒天培地に塗り、37℃の条件で約一晩培養します。
すると菌が増殖して、肉眼でも観察できるような菌の集まり(集落)ができます。
培地にはいろいろな種類があります。
細菌がどのような培地に生えたか、どのような色をしているか、細菌の集落はどのような形をしているかなど色々な情報を得ることができます。
この情報は、後に菌の種類を決めていく上で、大切な情報となります。

大腸菌

緑膿菌

薬剤同定・感受性検査

菌が、ぶどう糖や乳糖を分解することができるか、運動性はあるかなど、色々な性質を調べることにより、菌の種類を決めることができます。
菌を分類することにより、その菌はどのような病原性を示すのか、また、どのような処理をすればよいのかが、解ってきます。
当院では全自動分析装置を用いて、発育した菌の菌種を決定(細菌同定)し、どのような薬剤が有効かを調べる検査(薬剤感受性検査)を実施しています。その結果より、薬剤の有効性・必要量が解り、感染症治療により的確な薬剤を選択することができます。

おわりに
細菌検査室は、臨床材料からより速く起炎菌を検出し、より的確な薬剤情報を臨床に提供することにより、感染症治療に貢献しています。
的確な薬剤を使用することにより、耐性菌の出現を少なくすることもできます。
また、病院内の耐性菌検出状況など日々のデータを蓄積・解析することにより、院内感染対策にも貢献しています。

病理検査室

病理検査室は、主に病理組織・術中迅速・細胞診検査を行っています。

病理組織検査では、患者さんから採取された組織(内視鏡検査など受けて、摘み取られた胃や大腸の小さな組織)の中に悪いものが潜んでいないかを調べます。また、手術材料(手術で採られた胃や大腸、子宮、肺などの臓器)を細かく切って良悪や広さ、深さなど病気の進行具合を調べます。

術中迅速病理検査では、手術中に組織を凍結標本にして良悪を診断します。

細胞診検査は、子宮頸部・体部の擦過や喀痰、液状である胸水・腹水中にがん細胞があるかどうか調べます。

病理組織検査(組織標本作製)
  • 組織を採取した後ホルマリンという保存液に入れる<固定>
  • 組織を切って中身を観察し、スライドガラスの大きさに形を整える<切り出し>
  • 自動機器で一晩かけて組織の水分油分を除きパラフィンをなじませる

  • パラフィンになじんだ組織を型に入れて冷やしてパラフィンを固める<包埋>

  • パラフィンで固めたものを薄切機(ミクロトーム)で薄く切る<薄切>

    0.002㎜~0.003㎜の厚さで薄切する

  • スライドガラスで切片を拾い、湯に浮かべてしわを伸ばす
  • 40℃ぐらいの熱で乾燥させる<伸展>

  • 切片が貼りついたスライドガラスを染色する<染色>

    自動染色機

    紫の色素(ヘマトキシリン)と赤の色素(エオジン)で染め分ける

  • カバーガラスをかける<封入>

  • 完成したスライドを専門の病理医が見て診断する
    さらに追加で診断に必要な免疫染色など特殊検査を行うこともある
術中迅速病理検査

術中迅速検査とは、手術中にその場で結果が必要な時、迅速(5~10分)で標本を作製して良悪を診断し報告する検査

  • 手術室から病理検査室に組織の一部が届く
  • 組織を急速冷凍して固めたものを-20℃の状態で薄く切る

    クリオスタット(-20℃)

    0.005㎜の厚さに切る

  • 薄く切ったものをスライドガラスに貼り付け、染める(3分程度)

    迅速HE染色

  • 専門の病理医が標本を見て良悪を診断しその結果をすぐに手術担当医へ報告する
細胞診検査

細胞診とは、患者さんから採取した材料(細胞)を顕微鏡で観察し、細胞の良悪や感染等を調べる検査です

  • 患者さんから採取する主な材料(検体)
    子宮頸部/体部擦過物・尿・喀痰・胸水・腹水・穿刺液など…
  • 材料と主な病気

    • 子宮・・・・・子宮頸部がん、子宮体部がんなど
    • 尿・・・・・・膀胱がんなど
    • 喀痰・・・・・肺がんなど
    • 胸腹水・・・・肺がん、胃がん、卵巣がんなど
    • 穿刺吸引細胞診(体の表面に近い臓器)・・・・甲状腺がん、乳がんなど

輸血検査

輸血センターでは輸血前検査および輸血用血液製剤の準備・支給を一元管理し、24時間体制で輸血業務を行っています。

輸血前検査

血液型検査
  • ABO血液型、Rh(D)式血液型などを検査します。
不規則抗体検査
  • 不規則抗体は免疫抗体と自然抗体に分類されます。
  • 不規則抗体を保有する受血者(患者さん)への輸血には、赤十字血液センターより検査済みの輸血適合血の供給が可能です。
  • 不規則抗体検査は妊婦検診の際も必要に応じ実施されます。
交差適合試験
  • 交差適合試験は供血者の血液を受血者(患者さん)に輸注した際に生じる副作用を防止するために実施する検査です。
  • 赤血球製剤は交差適合試験の結果が陰性であった時初めて『適合』となり、 輸血実施となります。

血液製剤管理

  • 赤十字血液センターより輸血用同種血製剤(RBC:照射赤血球濃厚液、FFP:新鮮凍結血漿、PC:照射濃厚血小板)の供給を受け、専用保冷庫での温度管理のもとで厳重な保管を行っています。
  • その他手術に備えて予め患者さんの血液を貯蓄する自己血も保管しています。

生理検査

心電図・肺機能検査室

心電図検査

心臓の筋肉は規則正しく収縮を繰り返して、体全体に血液を送っています。心電図検査は心筋が収縮するときに起こる弱い電流を波形にして記録するものです。不整脈、狭心症、心肥大などが診断できます。両手首、両足首と、胸に6個の電極を付けて検査します。12方向から見た心電図波形が記録できます。

標準12誘導心電図

運動負荷心電図
(トレッドミル)

ホルター心電図
携帯型の小さな心電計を身に着けて24時間の心電図を記録します。日常生活の一過性の不整脈、胸の痛みや動悸が起きた際の心電図変化。また、症状のない心電図変化を見つけることができます。
運動負荷心電図
運動によって負荷をかけ、心電図異常の有無を調べます。階段昇降を行うマスター負荷心電図、ベルトの上を歩くトレッドミル、自転車をこぐエルゴメーターの3種類があります。
血圧脈波(ABI/CAVI/TBI)

全身の動脈硬化及び狭窄を調べる検査です。両腕、両足首の血圧比で四肢末梢血管における動脈硬化の程度や狭窄の有無を調べます。
ABIが低い場合下肢血管の閉塞性動脈硬化症の疑いがあります。
CAVIが高い場合動脈の血管壁が堅くなっていることを表します。
血管の石灰化が進行した方では、ABIの値が本来より高値となり正確な検査ができません。TBIは足首の代わりに石灰化を免れることが多い足の親指で血圧を測定することで、石灰化の強い患者さんでも閉塞病変を評価できます。

血圧脈波
(ABI/CAVI)

PTG(指尖容積脈波)

指先の細動脈の血流を調べます。

SPP(皮膚灌流圧)

皮膚の毛細血管の血流の評価をします。

肺機能検査

肺から空気を出し入れする機能を調べます。呼吸器疾患の重症度評価や手術時に全身麻酔を安全にかける為に呼吸機能を調べます。呼吸機能には必要に応じて各種検査小目があります。

  • 肺活量(VC):肺の容積を調べます。
  • 努力性肺活量(FVC):息を一気に吐いた時の勢いをグラフにします。
  • 肺胞拡散能力(DLCO):吸った酸素の、肺から血液への取り込み状態を調べます。
  • 残気量(RV):息を全部吐き出した時の残りの肺容積を調べます。
  • 薬剤吸入効果:気管支拡張剤を吸入し、吸入前後の努力性肺活量を比較することで、薬剤の効果があるか調べます。
重心動揺検査

体の揺れの大きさ、どの方向に揺れやすいか、揺れのスピード、規則的な揺れをするかなどを分析します。

PSG(終夜睡眠ポリグラフィ検査)

睡眠時無呼吸症候群の精密検査です。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に断続的に無呼吸を繰り返し、一晩(7時間以上の睡眠)で10秒以上の無呼吸が30回以上生じる病態です。一泊入院して病棟で行います。

超音波検査

観察したい臓器に超音波を発信し、返ってくる反射波をコンピューターで処理し、画像化する検査です。超音波を出す探触子と体を密着させるためにゼリーを塗って検査します。臓器の状態をリアルタイムで観察でき、金属の影響や、被爆の心配もないため繰り返し行える安全な検査です。

腹部超音波検査

下肢静脈超音波検査

心臓超音波検査

心臓の形、動き、血流を観察する検査です。心肥大、心筋梗塞、弁膜症、先天性心疾患、心内の腫瘍や血栓、周囲に水がたまってないかなどの診断ができます。

経食道心臓超音波検査

超音波を出す管を胃カメラのように口から入れ、食道から心臓を観察します。胸から当てる心臓超音波では描出困難な場合や、弁の形態を明瞭に観察する際に有用です。

腹部超音波検査

主に上腹部臓器(肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓)を観察し、病変がないか、形態的異常を調べます。

甲状腺超音波検査

甲状腺の形態や血流評価、腫瘤の有無などを検査します。

乳腺超音波検査

乳腺の腫瘤の有無、性状を検査します。

頸動脈超音波検査

首には心臓から脳へ血液を送る頸動脈があります。動脈硬化によって頸動脈の壁が厚くなっていないか、血管は狭くなっていないかを検査します。

下肢動脈超音波検査

動脈硬化が進み血管が狭窄してしまうと、足に血液がいかなくなり壊死してしまいます。足の動脈に狭窄や閉塞がないか検査します。

下肢静脈超音波検査

足の静脈に血栓(血の塊)ができていないか検査します。
足の静脈瘤の原因となる弁機能不全の有無を検査します。

腎動脈超音波検査

腹部大動脈から分岐して腎臓に流れる動脈が狭くなっていないか、腎臓内に十分血流があるか検査します。

表在超音波検査

表皮直下の比較的浅い部位にできた腫瘤の大きさ、血流、固さ等を評価し、どのような腫瘤か検査します。

脳波・神経生理検査室

脳波

脳の神経細胞は常に微弱な電気を発生しています。その電流を頭部に付けた電極でキャッチし波形として記録します。部屋を暗くして、目を閉じた状態で検査します。検査中は目の開閉眼、深呼吸、光刺激を行い異常脳波を誘発します。

ABR(聴性脳幹反応)

他覚的聴力や脳幹の機能を見る検査です。音刺激を与えて、大脳の聴覚神経の興奮による電位を記録します。

末梢神経伝導速度

皮膚の上から神経に弱い電気刺激を加え、末梢への刺激が伝わる速さを測定します。運動障害(動きにくい、脱力感)、知覚障害(感覚が鈍い、しびれ、痛み)の原因が神経障害によるものか、障害のある部位、障害の程度を検査します。

不整脈関連業務

カテーテルアブレーション治療における心内心電図解析装置、3Dマッピング装置(CARTO、Ensite,Rhythmia)、プログラミング刺激装置の操作、解析等を行っています。
また、植込み型心臓電気デバイスにおける遠隔モニタリング業務にも参画しています。

中央採血室

採血・採尿の流れ

  • 受付
  • 採尿
  • 採血
  • 検査結果
※事前採血のお願い

当院では、診察日以前に、「採血・検査をする」事前採血をお願いしています。
当日採血では、検査結果がでるまでに1時間ほどかかります。
事前採血をすると診察日に待ち時間が軽減されます。
診察時、医師とご相談の上、ご協力いただきますようお願いします。
尚、受付票は不要ですので、直接中央採血室にお越しください。17時まで行っています。
また、駐車券は診療最終受付へお出しください。
(注)血液疾患・化学療法中などの方については、その限りではありません。

  • 受付

    中央検査室は8時30分より受付を開始します。
    8時より採血順の番号券を発券します。
    発券機は、中央採血室の前に設置してあります。先に番号券を取られた方は8時30分までに再来機受付を済ませてください。
    受付開始5分前までには、採血室にお戻り下さい。

    番号を呼ばれたら

    • 番号券
    • 診察券
    • 再来機受付の受付票

    を受付にお出しください。

    番号をお呼びした時にみえない場合は、先に進みますのでご了承ください。
    受付時に新たに採血番号を付けますが、最初の番号とは異なる場合があります。尿のみの場合や採血が無かった方がみえた時に起こります。ご了承ください。
    発券は朝の混雑時のみ行います。発券の終了後は、直接受付カウンターにお越しください。

    • 診察券
    • 再来機受付の受付票(診察後の場合は総括票)

    を受付にお出しください。

    8時30分の受付開始前に採尿を済ませておきたい方は、トイレにある採尿コップに名前と患者番号(診察券の8桁の番号)又は、名前と年齢を書いてトイレ内の提出窓にお出しください。

  • 採尿

    尿検査のある方は、受付時に採尿コップをお渡しします。隣のトイレで尿を取っていただき、トイレ内の提出窓にお出しください。
    量はコップ内側にある25mlラインぐらいあれば十分です。少量の場合は声を掛けてください。

  • 採血

    当院では医療安全のため、お名前と番号でお呼び出しします。ご了承ください。
    採血の前には改めてお名前をお伺いし、番号と共に再確認します。ご協力ください。

    お知らせください

    • アルコールやラテックスにアレルギーのある方
      アルコールやラテックスを含まない物を使用します。
    • 採血時に気分不快、冷や汗などを経験したことがある方
      ベットに寝た状態で採血することもできます。
    • 薬剤などの影響で血が止まりにくい方
      しっかり止血し、絆創膏なども考慮します。
    • 手や腕に痛みがある方
      腕を縛ったり動かしたりする時に気を配ります。
  • 採血結果

    検査結果は直接、電子カルテに送られます。採血後は受診科でお待ちください。

    採血結果の打ち出しについて

    一般的な血液検査の結果の打ち出しを行っています。希望される方は、中央採血室の受付で診察券をお出しください。打ち出しをできない項目については、受診科でお問い合わせください。打ち出し可能な結果は過去3回分ですのでお気をつけください。診察券をお持ちでない場合はお断りする場合があります。ご了承ください。打ち出し項目の検査内容を説明した「臨床検査ガイド」を用意しています。ご希望の方はお申し付けください。

臨床検査ガイド

生化学検査

CRP(C反応性タンパク)0~0.14mg/dl

細菌、ウィルスなどによる感染、異物などにより体内に炎症が起こると血液中のCRPが増加します。そのため体内の炎症の度合い、治療経過などの確認に用いられています。

AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)13~30IU/l

心筋、肝臓、骨格筋、腎臓などに多く存在しています。これらの細胞に異常が起こると血液中に漏れ出るため肝臓障害、心筋梗塞などを知る手がかりとなります。

ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)
男性:10~42IU/l 女性:7~23 IU/l

肝臓に特に多く存在しているので 肝臓に異常が起こると鋭敏に反応します。そのため肝臓、胆道系の病気の診断に欠かせない検査となっています。

ALP(アルカリフォスファターゼ)38~113IU/l

血液中のALPは、肝臓、骨、小腸、胎盤に由来しています。胆道閉鎖、甲状腺機能亢進症などで上昇します。又小児や妊婦においては、高値を示します。

GGT(γーグルタミルトランスペプチターゼ)
男性:13~64IU/l 女性:9~32 IU/l

肝臓や胆管に異常が起こった時血液中に上昇します。特にアルコールに鋭敏に反応するため、一般に飲酒による肝臓障害の指標として知られています。

LD(乳酸脱水素酵素)124~222IU/l

全身に多く分布し、肝臓病、心臓病、腫瘍、血液の病気などで上昇します。

ChE(コリンエステラーゼ)
男性:240~486IU/l 女性:201~421 IU/l

肝臓でつくられ、血液中に放出されるのでこれを調べる事により肝臓の働きを知ることができます。肝臓障害では、低値となります。

T-Bil(総ビリルビン)0.2~1.3mg/dl
D-Bil(直接ビリルビン)0.1~0.5mg/dl

ビリルビンは、古くなった赤血球のヘモグロビンから作られる黄色の色素で肝臓から胆汁中に排泄されます。肝臓の機能低下や胆道の閉塞などにより排泄がうまくいかなくなると血液中のビリルビンが増加し黄疸となります。

TP(総タンパク)6.6~8.1g/dl

血清タンパクは、主に肝臓で合成されています。肝臓や腎臓の機能障害などがおこり体内の代謝に異常が生じると値が変化します。

ALB(アルブミン)4.10~5.10g/dl

アルブミンは肝臓で合成されています。肝臓障害や腎臓からアルブミンが多量に漏れ出るネフローゼ症候群、腎炎で低下します。又栄養不良でも低値となります。

T-Cho(総コレステロール)
150~219mg/dl

コレステロールの増加による高脂血症が長く続くと動脈硬化が起こりやすくなります。脳動脈硬化や心臓血管障害の危険因子として知られています。又家族性で高い場合やネフローゼ症候群でも高値を示します。

HDLコレステロール
男性:38~90mg/dl 女性:48~103 mg/dl

HDLは動脈硬化の原因となる末梢のコレステロールを運びだすため善玉コレステロールと言われています。HDLが低くなると動脈硬化を起こす危険性が高くなります。

LDLコレステロール 70~139mg/dl

HDLとは逆に肝臓のコレステロールを体の隅々まで運びます。増加すると動脈硬化の危険性が高くなるため、悪玉コレステロールと言われています。

TG(中性脂肪)30~149mg/dl

血液中の中性脂肪が高くなりすぎると、コレステロールと同様、動脈硬化の危険因子となります。そのためコレステロール、中性脂肪をコントロールする事は、動脈硬化の予防に重要となっています。又、食後、高値となります。

BUN(尿素窒素)8.0~20.0mg/dl

体内で使用された蛋白の老廃物で腎臓で濾過され尿中に排泄されます。腎臓の排泄機能が悪くなると血液中のBUNは、増加するため主に腎臓機能検査として用いられています。又 脱水症、高タンパク食摂取などでも高値を示します。

CRE(クレアチニン)
男性:0.65~1.07mg/dl 女性:0.46~0.79mg/dl

体内で使用された蛋白の老廃物で腎臓で濾過され尿中に排泄されます。腎臓の排泄機能が悪くなると血液中のBUNは、増加するため主に腎臓機能検査として用いられています。又、脱水症、高タンパク食摂取などでも高値を示します。

UA(尿酸)2.0~6.9mg/dl

尿酸が血液に溶ける限界を超えると尿酸の結晶が体内に沈着します。尿酸結晶は、関節などに沈着し痛風を引き起こしたり、腎臓や尿管などに沈着し結石や腎機能障害などの原因となります。

Na(ナトリウム)138~145mmol/l

体液量の調整や浸透圧の維持、酸塩基平衡調節の病態の把握に有用です。又、下痢、嘔吐、発汗などの脱水状態で増加します。

K(カリウム)3.6~4.8mmol/l

細胞機能、特に神経、筋肉の機能に重大な影響を与えています。腎不全などで排泄がうまくいかなくなると血液中の濃度が高くなり重篤な不整脈を引き起こします。

Cl(クロール)101~108mmol/l

同様血液中のClは、Naと同様浸透圧の調整、酸塩基平衡調節に関係しています。その値は、ほぼNaと並行して変動しますが大量の嘔吐では、Clのみ極度の低値を示します。

Ca(カルシウム)8.8~10.1mg/dl

骨や歯の構成成分であることはよく知られています。血液中では、神経や筋肉の伝達にも重要な働きをしており、副甲状腺ホルモン、活性化ビタミンDにより厳密にコントロールされています。したがって副甲状腺や骨の疾患、腎不全などで異常値を示します。

CK(クレアチンキナーゼ)
男性:59~248IU/l 女性:41~153IU/l

心筋、骨格筋、脳などに存在します。これらの組織細胞に障害が起こる急性心筋梗塞、筋ジストロフィーなどで増加します。又、激しい運動でも高値を示します。

AMY(アミラーゼ)44~132IU/l

主にでんぷんを分解する消化酵素で主に膵臓、唾液腺から分泌されます。これらの臓器に炎症などがおこる急性膵炎、流行性耳下腺炎(おたふくカゼ)などで血液中の値が上昇します。

グルコース 73~110mg/dl

生体の重要なエネルギー源でインスリンなど各種ホルモンにより調節され、血液中の濃度は、ほぼ一定に保たれています。しかし、調節因子の機能に支障をきたすと血糖値は、異常になります。糖尿病、甲状腺機能亢進症などで高値となります。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)4.6~6.2%

ブドウ糖(血糖)とヘモグロビンが結合したもので約1カ月前の血糖の状態を表しています。糖尿病になると高値を示し、治療効果の判定に用いられています。

1.5AG(1.5アンヒドロ-D-グルシトール)14.0μg/ml以上

尿糖と同時に排出される物質.で糖尿病では著しい低値を示します。短期の糖尿病のコントロールや治療効果判定に有用です。

血液学検査

WBC(白血球数)3300~8600/μl

一般に風邪などのウィルス感染や一部の薬物の副作用では減少する事があり、逆に細菌感染やその他の炎症、ステロイドの内服、喫煙などで増加する傾向があります。

RBC(赤血球数)
男性:435万~555万/μl 女性:386万~492万/μl

かなりの出血や溶血、造血障害で減少し、脱水や慢性肺疾患では、見かけ上増加する事があります。

MCV(平均赤血球容積)83.6~98.2fl

赤血球の容積を表しています。慢性の鉄欠乏では、この値が小さくなります。

血色素(ヘモグロビン)
男性:13.7~16.8g/dl 女性:11.6~14.8g/dl

赤血球の中に含まれる成分で酸素の運搬をしています。この値が貧血の有無の基準として重要です。

HCT(ヘマトクリット)
男性:40.7~50.1% 女性:35.1~44.4%

全血液中に占める赤血球容積の割合を表しています。その意義はHGBと同様です。

PLT(血小板)15.8万~34.8万/μl

血小板には止血作用がありますのでその数が極端に減ったり、機能が低下すると出血しやすくなります。逆に血小板の増加が、直ちに血栓症の発症につながるとは言い切れません。