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臨床検査ガイド

生化学検査

・CRP(C反応性タンパク)    0~0.14mg/dl

細菌、ウィルスなどによる感染、異物などにより体内に炎症が起こると血液中のCRPが増加します。そのため体内の炎症の度合い、治療経過などの確認に用いられています。


・AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)   13~30IU/l

 心筋、肝臓、骨格筋、腎臓などに多く存在しています。 これらの細胞に異常が起こると血液中に漏れ出るため肝臓障害、心筋梗塞などを知る手がかりとなります。


・ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ) 
 男性:10~42IU/l     女性:7~23 IU/l

肝臓に特に多く存在しているので 肝臓に異常が起こると鋭敏に反応します。そのため肝臓、胆道系の病気の診断に欠かせない検査となっています。


・ALP(アルカリフォスファターゼ)    38~113IU/l

血液中のALPは、肝臓、骨、小腸、胎盤に由来しています。胆道閉鎖、甲状腺機能亢進症などで上昇します。又小児や妊婦においては、高値を示します。


・GGT(γーグルタミルトランスペプチターゼ)
 男性:13~64IU/l      女性:9~32 IU/l

肝臓や胆管に異常が起こった時血液中に上昇します。特にアルコールに鋭敏に反応するため、一般に飲酒による肝臓障害の指標として知られています。


・LD(乳酸脱水素酵素)    124~222IU/l

全身に多く分布し、肝臓病、心臓病、腫瘍、血液の病気などで上昇します。


・ChE(コリンエステラーゼ)
 男性:240~486IU/l  女性:201~421 IU/l

肝臓でつくられ、血液中に放出されるのでこれを調べる事により肝臓の働きを知ることができます。肝臓障害では、低値となります。


・T-Bil(総ビリルビン)    0.2~1.3mg/dl
 D-Bil(直接ビリルビン)  0.1~0.5mg/dl

ビリルビンは、古くなった赤血球のヘモグロビンから作られる黄色の色素で肝臓から胆汁中に排泄されます。肝臓の機能低下や胆道の閉塞などにより排泄がうまくいかなくなると血液中のビリルビンが増加し黄疸となります。


・TP(総タンパク)    6.6~8.1g/dl

血清タンパクは、主に肝臓で合成されています。肝臓や腎臓の機能障害などがおこり体内の代謝に異常が生じると値が変化します。


・ALB(アルブミン)    4.10~5.10g/dl

アルブミンは肝臓で合成されています。肝臓障害や腎臓からアルブミンが多量に漏れ出るネフローゼ症候群、腎炎で低下します。又栄養不良でも低値となります。


・T-Cho(総コレステロール)    150~219mg/dl

コレステロールの増加による高脂血症が長く続くと動脈硬化が起こりやすくなります。脳動脈硬化や心臓血管障害の危険因子として知られています。又家族性で高い場合やネフローゼ症候群でも高値を示します。


・HDLコレステロール  男性:38~90mg/dl  女性:48~103 mg/dl

HDLは動脈硬化の原因となる末梢のコレステロールを運びだすため善玉コレステロールと言われています。HDLが低くなると動脈硬化を起こす危険性が高くりまする。


・LDLコレステロール    70~139mg/dl

HDLとは逆に肝臓のコレステロールを体の隅々まで運びます。増加すると動脈硬化の危険性が高くなるため、悪玉コレステロールと言われています。


・TG(中性脂肪)    30~149mg/dl

血液中の中性脂肪が高くなりすぎると、コレステロールと同様、動脈硬化の危険因子となります。そのためコレステロール、中性脂肪をコントロールする事は、動脈硬化の予防に重要となっています。又、食後、高値となります。


・BUN(尿素窒素)    8.0~20.0mg/dl

体内で使用された蛋白の老廃物で腎臓で濾過され尿中に排泄されます。腎臓の排泄機能が悪くなると血液中のBUNは、増加するため主に腎臓機能検査として用いられています。又 脱水症、高タンパク食摂取などでも高値を示します。


・CRE(クレアチニン) 
 男性:0.65~1.07mg/dl    女性:0.46~0.79mg/dl

体内で使用された蛋白の老廃物で腎臓で濾過され尿中に排泄されます。腎臓の排泄機能が悪くなると血液中のBUNは、増加するため主に腎臓機能検査として用いられています。又 脱水症、高タンパク食摂取などでも高値を示します。


・UA(尿酸)    2.0~6.9mg/dl

尿酸が血液に溶ける限界を超えると尿酸の結晶が体内に沈着します。尿酸結晶は、関節などに沈着し痛風を引き起こしたり、腎臓や尿管などに沈着し結石や腎機能障害などの原因となります。


・Na(ナトリウム)    138~145mmol/l

体液量の調整や浸透圧の維持、酸塩基平衡調節の病態の把握に有用です。又、下痢、嘔吐、発汗などの脱水状態で増加します。


・K(カリウム)    3.6~4.8mmol/l

細胞機能、特に神経、筋肉の機能に重大な影響を与えています。腎不全などで排泄がうまくいかなくなると血液中の濃度が高くなり重篤な不整脈を引き起こします。


・Cl(クロール)    101~108mmol/l

同様血液中のClは、Naと同様浸透圧の調整、酸塩基平衡調節に関係しています。その値は、ほぼNaと並行して変動しますが大量の嘔吐では、Clのみ極度の低値を示します。


・Ca(カルシウム)    8.8~10.1mg/dl

骨や歯の構成成分であることはよく知られています。血液中では、神経や筋肉の伝達にも重要な働きをしており、副甲状腺ホルモン、活性化ビタミ ンDにより厳密にコントロールされています。したがって副甲状腺や骨の疾患、腎不全などで異常値を示します。


・CK(クレアチンキナーゼ)  男性:59~248IU/l  女性:41~153IU/l

心筋、骨格筋、脳などに存在します。これらの組織細胞に障害が起こる急性心筋梗塞、筋ジストロフィーなどで増加します。又、激しい運動でも高値を示します。


・AMY(アミラーゼ)    44~132IU/l

 主にでんぷんを分解する消化酵素で主に膵臓、唾液腺から分泌されます。これらの臓器に炎症などがおこる急性膵炎、流行性耳下腺炎(おたふくカゼ)などで血液中の値が上昇します。


・グルコース    73~110mg/dl

 生体の重要なエネルギー源でインスリンなど各種ホルモンにより調節され、血液中の濃度は、ほぼ一定に保たれています。しかし、調節因子の機能に支障をきたすと血糖値は、異常になります。糖尿病、甲状腺機能亢進症などで高値となります。


・HbA1c(ヘモグロビンA1c)    4.6~6.2%

ブドウ糖(血糖)とヘモグロビンが結合したもので約1カ月前の血糖の状態を表しています。糖尿病になると高値を示し、治療効果の判定に用いられています。


・1.5AG(1.5アンヒドロ-D-グルシトール)    14.0μg/ml以上

尿糖と同時に排出される物質.で糖尿病では著しい低値を示します。短期の糖尿病のコントロールや治療効果判定に有用です。

血液学検査


・WBC(白血球数)    3300~8600/μl

一般に風邪などのウィルス感染や一部の薬物の副作用では減少する事があり、逆に細菌感染やその他の炎症、ステロイドの内服、喫煙などで増加する傾向があります。


・RBC(赤血球数)  男性:435万~555万/μl   女性:386万~492万/μl

かなりの出血や溶血、造血障害で減少し、脱水や慢性肺疾患では、見かけ上増加する事があります。


・MCV(平均赤血球容積)    83.6~98.2fl

赤血球の容積を表しています。慢性の鉄欠乏では、この値が小さくなります。


・血色素(ヘモグロビン) 
 男性:13.7~16.8g/dl    女性:11.6~14.8g/dl

赤血球の中に含まれる成分で酸素の運搬をしています。この値が貧血の有無の基準として重要です。


・HCT(ヘマトクリット)
 男性:40.7~50.1%   女性:35.1~44.4%

全血液中に占める赤血球容積の割合を表しています。その意義はHGBと同様です。


・PLT(血小板)    15.8万~34.8万/μl

 血小板には止血作用がありますのでその数が極端に減ったり、機能が低下すると出血しやすくなります。逆に血小板の増加が、直ちに血栓症の発症につながるとは言い切れません。


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