病理検査室
病理検査室は、主に病理組織・術中迅速・細胞診検査を行っています。
病理組織検査では、患者さんから採取された組織(内視鏡検査など受けて、摘み取られた胃や大腸の小さな組織)の中に悪いものが潜んでいないかを調べます。また、手術材料(手術で採られた胃や大腸、子宮、肺などの臓器)を細かく切って良悪や広さ、深さなど病気の進行具合を調べます。
術中迅速病理検査では、手術中に組織を凍結標本にして良悪を診断します。
細胞診検査は、子宮頸部・体部の擦過や喀痰、液状である胸水・腹水中にがん細胞があるかどうか調べます。
病理組織検査
(組織標本作製)
- 組織を採取した後ホルマリンという保存液に入れる<固定>
- 組織を切って中身を観察し、スライドガラスの大きさに形を整える<切り出し>
- 自動機器で一晩かけて組織の水分油分を除きパラフィンをなじませる
- パラフィンになじんだ組織を型に入れて冷やしてパラフィンを固める<包埋>
- パラフィンで固めたものを薄切機(ミクロトーム)で薄く切る<薄切>
0.002㎜~0.003㎜の厚さで
薄切する - スライドガラスで切片を拾い、湯に浮かべてしわを伸ばす
- 40℃ぐらいの熱で乾燥させる<伸展>
- 切片が貼りついたスライドガラスを染色する<染色>
自動染色機
紫の色素(ヘマトキシリン)と
赤の色素(エオジン)で染め分ける - カバーガラスをかける<封入>
- 完成したスライドを専門の病理医が見て診断する
さらに追加で診断に必要な免疫染色など特殊検査を行うこともある
術中迅速病理検査
術中迅速検査とは、手術中にその場で結果が必要な時、
迅速(5~10分)で標本を作製して良悪を診断し報告する検査
- 手術室から病理検査室に組織の一部が届く
- 組織を急速冷凍して固めたものを-20℃の状態で薄く切る
クリオスタット(-20℃) 0.005㎜の厚さに切る - 薄く切ったものをスライドガラスに貼り付け、染める(3分程度)
迅速HE染色
- 専門の病理医が標本を見て良悪を診断しその結果をすぐに手術担当医へ報告する
細胞診検査
細胞診とは、患者さんから採取した材料(細胞)を顕微鏡で観察し、細胞の良悪や感染等を調べる検査です
- 患者さんから採取する主な材料(検体)
子宮頸部/体部擦過物・尿・喀痰・胸水・腹水・穿刺液など… - 材料と主な病気
○子宮・・・・・子宮頸部がん、子宮体部がんなど
○尿・・・・・・膀胱がんなど
○喀痰・・・・・肺がんなど
○胸腹水・・・・肺がん、胃がん、卵巣がんなど
○穿刺吸引細胞診(体の表面に近い臓器)・・・・甲状腺がん、乳がんなど