検体検査部門(一般検査室)
<検体検査部門(一般検査室)>
最も古典的な検査として古くから日常検査で実施している検査で、痛みを伴わないで採取できる尿や便という材料を用います。でもそれだけではなく髄液・穿刺液(腹水、胸水など)・精液などの特殊な材料でも検査をしています。
① 尿検査には、定性検査と尿沈さがあります。
尿自動分析装置US2000

尿定性検査は試験紙法という方法で簡単に調べられます。
PH・比重・蛋白・糖・ケトン体・ビリルビン・ウロビリノーゲン・潜血反応・亜硝酸塩・白血球の10種を機器(CLINITEK500)判定でおこなっています。

1-正常尿
2-蛋白尿
尿沈さ自動分析装置

尿沈さは尿中有形成分を分析装置でスクリーニングした後、異常が見られた検体について顕微鏡で鏡検します。
尿中の主な細胞には血球類(赤血球・白血球)や膀胱・尿路系などから剥離された上皮細胞や細菌などが見られます。
② 糞便検査
便に血液が混入しているかどうか調べるヒトヘモ・寄生虫の卵を調べる虫卵検査があります。
③ 髄液検査
細胞数・細胞種類・蛋白・糖・クロールなどを測り、髄膜炎・脳炎の診断や治療経過、中枢神経系の病態を知るための検査です。
④ 穿刺液検査
腹水や胸水などの体腔穿刺液の細胞数・蛋白・比重など一般的な性状を測ります。
関節液を顕微鏡でみることで、痛風などの関節炎の原因となっている結晶を調べることができます。
⑤ 精液検査
精子数・運動率・奇形率を算定することで、精液中の精子の能力が解ります。
⑥ POCT
尿中肺炎球菌抗原・レジオネラ・インフルエンザ・アデノウイルス・RSウイルス・β溶レン菌・マイコプラズマ・ヒトメタニューモウイルス・便中ロタウイルス・便中アデノウイルスの検査を行っています。
<尿で何が分かるの?>
定性試験からは腎機能、糖代謝、酸塩基平衡に関する情報が得られます。
尿沈さ検査からは尿中の有形成分が検出されると、腎・尿路系疾患の病態を推定することができます。
<便で何が分かるの?>
便に含まれる血液を検出することにより消化管などの出血の有無が解ります。
寄生虫卵を見つける事で、腸管寄生虫病の診断ができ、また駆虫など治療の効果の判定も行います。