検体検査部門 血液・凝固検査室


<何を調べるところなの?>
血液は、固形分の血球成分と液体の血しょう成分からできています。
血液検査では、血球成分(赤血球、白血球、血小板)の数の計測・種類の分類を行っています。
凝固検査では、出血した時に血を固める血しょう成分の働きと、その調節機能を調べています。
<どんな検査項目があるの?>
血液検査
WBC (白血球数)
RBC (赤血球数)
HGB (ヘモグロビン)
HCT (ヘマトクリット)
MCV (平均赤血球容積)
PLT (血小板数)
RET (網赤血球数)
血液像
凝固検査
PT
APTT
フィブリノーゲン
アンチトロンビンⅢ
D-ダイマー定性
D-ダイマー定量
PIC
SFMC(可溶性フィブリンモノマー複合体)
<それらの項目から何がわかるの?>
〇 赤血球にはヘモグロビンという色素が含まれています。
ヘモグロビンが酸素をくっつけて全身に運搬しています。 その為、ヘモグロビンが減ってくると(この状態を"貧血"と言います)、 酸素が全身に行き渡らない為に、疲れやすくなったり、めまいが起こったりします。
〇 白血球は感染等から身体を守る働きをしています。
白血球と一口に言っても好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球などいろいろ な種類があって、その働きも違います。白血球数の増減や、その種類の割合(血液 像とか分画といいます)を調べることで、その変化が、感染症などの影響からなのか、 血液疾患などの造血障害の影響からなのかをおおよそ把握することができます。
〇 血小板には止血作用が有ります。
血小板数が極端に減ったり、機能が低下すると出血しやすくなります。 逆に、血小板数が増加したからといって、直ちに血管がつまりやすいというわけでも ありません。血小板は傷の治りにも重要な働きをしています。
〇 出血した時に血を止める働き
出血した時に血を止める働きには、血小板の止血作用と、何種類かの血しょう成分が関わって血を固める(凝固といいます)作用とがあります。また、固まった血を溶 かす(線溶といいます)成分も血しょう中にあるので、血が固まったままというわけで はありません。これらがバランスよく働くことで出血した時に元の状態に治っていくわけです。
凝固検査をすることによって、血液の固まる力と溶かす力が解ります。
その為、手術前の検査として使われたり、治療(血栓症など)の経過観察にも使われたりしています。
<他にも何か調べているの?>
当院には、血液疾患の患者様もたくさんみえます。 そこで次の様な追加検査を院内で行っています。*骨髄像・・・造血能の検査
*好中球アルカリフォスファターゼ染色・・・好中球の機能検査
*赤血球抵抗試験・・・溶血検査
*ショ糖溶血試験・HAM試験 ・・・溶血検査
*補正試験(PT・APTT)・・・凝固異常の原因推測検査
*血小板凝集能 ・・・血小板の機能検査の1つです。2021年5月から、凝固測定装置CS-5100を用いて検査しています。
ADP、コラーゲンの2薬剤についての薬効を評価できます。