一枚の布に込められた祈りの模様、鮮やかな色彩、そして生活の中で使われ続けた風呂敷の文化

 たった一枚の布が形を選ばず様々なものを包むことが出来る、風呂敷。その歴史は実に千四百年も前に遡ります。
 現代の私たちの生活では、「包む」ことは運搬や保護、保存といった側面があげられますが、古代から近年にいたるまでの時代では、「包む」という行為のなかには、素材を使い捨てとして使用するのではなく、愛着を持って繰り返し使い尽くすという工夫や、清浄さを保つための祈りを込めるなど、人々の「こころ」が内包されていました。
 高度経済成長期以降、包装様式は多様化し、風呂敷は忘れられつつあります。環境保護が叫ばれる今日だからこそ、時代を超えて大切に使われてきた一枚の布の暮らしの文化を再発見してください。

 「包むこころ ふろしき」展では、貴重な和布の収集家である三瓶清子氏のコレクションのなかから、お祝いの気持ちを表した色鮮やかな模様が描かれた婚礼風呂敷や運搬の道具として人々に使われ続けた刺子の風呂敷を中心に展示するとともに、生活のなかで様々な場面と幅広い人達の間で使われてきた風呂敷の歴史を古代から江戸時代に至るまで多くの絵画資料や文献から遡り、その時代に生きた人々の風呂敷への想いを探ります。
 展示を通じ、風呂敷が大切な人への贈り物を包む用具として、もつ人の心や願いを造形化したものであることを感じてください。
 会場では、伝統的な包み方から、現代のライフスタイルに合わせた新しい包み方まで風呂敷の魅力を存分に体験できるコーナーもご用意し、皆様をお待ちしております。

会期 平成21年9月19日(土)〜11月8日(日) 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
月曜日・10月13日休館(ただし9月21・10月12日は開館)
主催 四日市市立博物館
特別協力 山田繊維株式会社、株式会社内田洋行
後援 中日新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞社、伊勢新聞社、
(株)シー・ティー・ワイ、エフエムよっかいち、NHK津放送局、三重テレビ放送
助成 (財)岡田文化財団
入館料 中学生以下無料、一般700円、高校・大学生500円

展示構成

大きく3つの部分から構成されています。

三瓶コレクションを様々な視点からご覧いただくため、日本人とふろしきのかかわりを、文献や絵画資料と共に展示します。使いつづけていくために施された刺子や、御祝いの気持ちを表現した婚礼風呂敷に、日本人の風呂敷への思いを垣間見ることができます。

次に現代の私たちの暮らしに活かすことができるふろしきライフの提案。ここでは、古くから伝わる結び方と、現代の生活にフィットするふろしきの使い方を紹介し、実際に体験していただくことができます。

そして、四日市ならではの展示として、当館所蔵資料から、風呂敷の使われ方を探ります。東海道の旅人が、旅道具として用いた風呂敷。たくさんの浮世絵や絵画資料のなかから、当時の活き活きとした人々の姿を見つけてください。お蔭参りで徳島からたった一匹でやってきた犬(おさんという名前です)の首に風呂敷包みが巻かれている様子や、市内保々地区の大樹寺所蔵涅槃図に描かれた風呂敷包み、また市民の皆さんに呼びかけてご提供いただいた風呂敷などを展示しています。

会場風景


三瓶コレクション

筒描 若松に寿の字文様風呂敷

四つの「寿」の文字が様々に図案化され、松の枝と同化するように描かれています。松は、本来永遠と幸福を意味する縁起の良い常緑樹として愛され、一年中枯れないことから、「お金が枯れない」などとも言われています。「寿」は寿命の寿で長寿を意味します。

筒描 鶴亀に梅花ちらし文様風呂敷

亀甲文様を感じさせる六角と、その中に翼を広げた鶴がみえます。空とのコントラストのように美しさを感じさせます。左上には「雪輪に五三の桐」の家紋が配置されています。


現代的活用法

伝統的な一升瓶包み

現代的なバスケット包み

どんな時にも活躍するシンプルバッグ


絵画資料にみる風呂敷

尾張名所図会に描かれた市の様子。
風呂敷が様々に使われているのがわかる。


ミュージアムショップ

関連行事

ワークショップ「今だから、ふろしきライフ」

9月19日(土)14時〜 じばさん三重 5階研修室5
10月24日(土)10時〜、14時〜博物館1階講座室

講師 山田悦子氏(京都和文化研究所むす美)
定員:各回先着30人
受講料は無料ですが、当日の観覧券が必要です。

講演会「風呂敷の歴史と文化 絵巻物や文献から人々の姿を探る」

10月3日(土)14時〜 博物館1階講座室

講師 深澤琴絵氏(風呂敷歴史研究家)
定員:先着70人
受講料は無料ですが、当日の観覧券が必要です。

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