特別展 ファーブル昆虫記の世界

 南フランスの小村サン・レオンに生まれたジャン・アンリ・ファーブル(1823-1915)が、教師を勤めながら物理学、化学の普及書を著した後、さまざまな昆虫の観察をおこない、その生態の研究成果をまとめて発表したのが、有名な『昆虫記』(全10巻1879-1907)です。
 ファーブルは、ほぼ同時代のダーウィン(1809-1882)による『種の起源』とは別の立場に立ち、スカラベやゾウムシといった地味ながら奇妙な習性をもつ昆虫を独自の方法で観察し、それらの行動の謎を解き明かしました。ファーブルの『昆虫記』は、その謎解きの過程と叙述の面白さによって、研究者にとどまらない幅広い層に読み継がれています。
 本展では、2003年EDF(フランス国営電力会社)センター(パリ)で開催された展覧会「ジャン・アンリ・ファーブル-人間、昆虫-」を基に、日本での受容の歴史やファーブルにまつわる作品を追加展示しながら、ファーブル『昆虫記』の周辺を様々な作品と資料によって振り返ります。
 私たちのすぐそばにいる、小さないのちの広い世界が見えてくることでしょう。

会期 平成21年6月27日(土)〜8月30日(日) 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
月曜日休館(ただし、7月20日は開館、翌21日閉館)
主催 四日市市立博物館、中日新聞社
後援 フランス大使館、岩波書店、集英社、小学館、 新潮社、日本国際児童図書評議会
助成 (財)岡田文化財団
協力 ドラグラーヴ出版、アヴェイロン県議会、埼玉大学図書館、 海洋堂フィギュアミュージアム黒壁龍遊館、国立科学博物館、 日本航空、カトーレック
入館料 中学生以下無料、一般600円、高校・大学生400円



【観察装置の前に立つファーブル】
Photo(C)Philippe Caron/Archives Delagrave,Paris

第1部 ファーブルと昆虫記

昆虫記が生まれるまで

「昆虫記」の先駆けとなった直筆論文や、研究過程のデッサン(埼玉大学コレクションより初公開)などを展示します。また、ファーブルとその周辺を撮影した写真や、「昆虫記」以前の著作を通して、「昆虫記」が生まれるまでの歩みを見つめなおします。

「昆虫記」の誕生とその普及

息子ポール・アンリが撮った写真は、ファーブルの研究過程を記録するのみならず、「昆虫記」を普及させる上で、大きな役割を果たしました。ネイチャー・フォトの先駆けとして、今日高い評価を受けているこれらの写真と共に、‘決定版の昆虫記’に掲載されたイラストの原画や、後年、出版された限定版の昆虫記のための版画などを展示します。



【アルマスの研究室】
Photo(C)Philippe Caron/Archives Delagrave,Paris

第2部 日本における昆虫記

 1922年に大杉栄が訳出した『昆蟲記』以降、日本でも、「ファーブル昆虫記」は今日まで様々な形で受容されてきました。第2部では、ファーブルに関する日本の様々な出版物にはじまり、長年にわたって昆虫や花々をテーマに創作をおこなっている熊田千佳慕の詩情あふれる繊細な挿絵原画。自然と人との関わりをテーマに取材・撮影を続けている今森光彦の卓越した昆虫写真。そして、精緻な造形で多くのファンを持つ海洋堂が、「ファーブル昆虫記」をテーマに広告キャンペーンをおこなった際の昆虫フィギュアと、それらを配した立体ジオラマ作品を紹介します。



【オオカマキリ:今森光彦】



【フンコロガシ:熊田千佳慕】



【ヒジリタマオシコガネ
(スカラベ・サクレ)の暮らし】

第3部 ファーブル/ファーブル 世代を超えて

日本でも、演劇と美術の境界を越える多才な活動で知られ、2008年春からは、ルーヴル美術館に多数の作品を設置し、常設のフランドル絵画とのコラボレーションが話題となっている作家ヤン・ファーブル。ベルギー在住ながら、ジャン・アンリ・ファーブルのひ孫(?)として、大英博物館の内部で撮影した映像作品『コンシリエンス』や、『昆虫記』の一節にインスピレーションを受けたドローイングなどを制作しています。本展では、ヤンによるこうした昆虫への強い関心を示す作品に加え、ファーブルゆかりの地でのインタビュー等に、映画『ファーブル』を組み込んだ映像(制作ギョーム・ディアマン・ベルジェ)を会場内で上映します。



【小さな友の祝祭-眠れ、眠れ、小さな生物たち−:ヤン・ファーブル】
Museum of Contemporary Art,Antwerp(MuHKA) Photo(C)Syb'l.S.Picture

関連行事

申込は開催日の10日前までに、参加行事名、住所、氏名、学校名、学年、電話番号を明記の上、葉書かファックスで博物館(安島1-3-16、059-355-2704)までお送りください。

子ども博物館教室
「きみもファーブルだ」

7月25日(土)10:00〜12:00
定員:小中学生20人(応募多数の場合抽選)
夏休みの自由研究(昆虫関係)の仕方を講師の先生から話を聞きます。他に、ファーブル展の見学や、ペーパークラフトを作る予定です。
講師:石田昇三(日本昆虫学会会員)、野口裕(当館指導主事)

子どものためのワークショップ
「セミのひみつをさぐろう!」

7月26日(日)18:00〜20:00
中央緑地公園(陸上競技場玄関前に集合)
事前申込不要、現地集合・解散です。
講師:石田昇三(日本昆虫学会会員)
(一部チラシ等で時間を6:00〜9:00としましたが、誤りです。お詫びして訂正します。)

ワークシート
「知って得する昆虫記の話」

会場内では、ワークシート「知って得する昆虫記の話」が置いてあります。夏休みに入ると、「知って得する昆虫の不思議」のシートも仲間入り。集めるとミニ事典になるぞ!(日によって置いてあるシートが違うかも…)

子どものためのワークショップ
「夏休みの宿題教室」

1.昆虫ペーパークラフト
8月27日(木)10:00〜12:00
定員:小中学生20人(応募多数の場合抽選)
紙を使った昆虫をつくります。ペーパークラフトや折紙を予定しています。ファーブル展の見学もあります。
講師:野口裕(当館指導主事)

2.流木で昆虫モビール
8月28日(金)10:00〜12:00
定員:小中学生20人(応募多数の場合抽選)
流木などを使って昆虫のモビールをつくります。ファーブル展の見学もあります。
講師:野口裕(当館指導主事)

3.これで完ぺき自由研究
8月29日(土)10:00〜12:00
定員:小中学生20人(応募多数の場合抽選)
夏休みにやった自由研究(昆虫関係)を持ってきてください。講師の先生にアドバイスしてもらい、ワンランク上の自由研究にグレードアップします。ファーブル展の見学もあります。
講師:石田昇三(日本昆虫学会会員)

スタンプラリーを開催

博物館のほかにも、7月18日(土)から四日市市文化会館で「昆虫物語」が、7月25日(土)から市立図書館で「夏の昆虫たち」がはじまるよ。この3館をまわるスタンプラリーに参加して8つ(博物館6個、文化会館1個、図書館1個)のスタンプを集め、昆虫ポストカードをゲットしよう!(文化会館のスタンプは7月17日まで、図書館のスタンプは7月24日まで、博物館に置いてあるよ)


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