HOME >> 人権・同和教育シリーズ 2011/11月上旬号
2010 YOKKAICHI
人権・同和教育シリーズ
杉田玄白を驚かせた腑分(ふわ)けの技術
(人権のひろば〜人権・同和教育シリーズ〜)
右の絵は、江戸時代に行われた腑分け(人体解剖)の様子を表したものです。当市で採用している小学6年生の社会科の教科書にも「蘭学のはじまり」として、このできごとが掲載されています。
人体と書物を見比べているのが医者の杉田玄白と前野良沢です。オランダ語で書かれた人体解剖書を手に入れた二人は、実際に腑分けを見学して、その正確さに驚いたといいます。「医学の基本である人体の本当の姿を知らずにいたことは面目ない」と話した玄白たちは、翌日から人体解剖書の翻訳に取り組み、苦労を重ねて『解体新書』を出版しました。
 
【医学の発展に貢献した人々】
では、玄白たちの目の前で、腑分けを行った人(上の絵の中央)はどのような人なのでしょうか。
教科書の挿絵には、「当時、農民や町人からも差別された人々の一人」であると解説されています。優れた技術や知識により、彼らも医学の発展に大きな貢献を果たしたのです。
また、死に対するケガレ意識が強い時代に、腑分けを行った人の「これは、肺なり」などの言葉に耳を傾けた玄白たちは、真実を知るために偏見を乗り越えた人物であったといえるでしょう。
現代に生きる私たちも、うわさや偏見にとらわれず、正しいことを知ろうとすることが大切ではないでしょうか。
問い合わせ先 …人権・同和教育課(Tel 354-8253 Fax 354-8308)
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