市内の文化財などをたどりながら、郷土の歴史を紹介するコーナーです。
今回紹介するのは、大宮町にある市指定史跡「志 神社古墳(しでじんじゃこふん)」です。 |
志 神社の境内に、木々の生い茂ったこんもりとした林があります。これは市内に残る前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)で、古墳時代前期の4世紀代に築造された志 神社古墳です。
前方後円墳とは、円形の墳丘と方形壇状の墳丘を連結したもので、その地の盟主(めいしゅ)的な人物のお墓です。
「伊勢名勝志(いせめいしょうし)」(明治時代に著された伊勢地方のガイドブック)には、「額田連(ぬかたのむらじ)の祖、意富伊我都命(おういがつのみこと)の陵墓」と、埋葬者の名前が見られます。
嘉永5年(1852)には墳頂部が発掘されましたが、棺(ひつぎ)などの埋葬施設は不明です。この際、中国から輸入されたと考えられる内行花文鏡(ないこうかもんきょう)1、碧玉(へきぎょく)製の腕飾りである車輪石(しゃりんせき)1、勾玉(まがたま)1、管玉(くだたま)2、小玉4が出土し、現在は市指定有形文化財として神社に大切に保管されています。 |
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志 神社古墳 |
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現在、古墳は一部が削られた後円部(直径30m、高さ5.3m)と北・西側の周溝(しゅうこう)(幅4.5m・深さ2.0m)が残っています。
古墳には立ち入ることはできませんが、神社を詣でつつ周辺を散策され、古墳時代に想(おも)いを馳(は)せてみてはいかがでしょうか。 |
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古墳から発掘されたもの |
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