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>> 特集 「失語症」を理解し、優しい支援を
2008/5月上旬
健康な人が脳卒中などの病気や頭部の外傷などによって、 ある日突然、言葉をうまく使えない「失語症」になることがあります。
失語症は、「話せない」だけでなく、「聞く」「読む」「書く」といった すべての言語機能に(程度の差はありますが)障害がでます。 それにより、これまでの生活が一変してしまう程の困難に見舞われることも多く、 また、目に見えない障害のために誤解されトラブルに巻き込まれることもあります。
失語症を理解し、そんな人に街でふれあったら、 「ゆっくりと聞き」「ゆっくり・はっきりと話す」を心掛けてみましょう。 そこから、コミュニケーションの輪がきっと広がります。
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言いたい言葉が浮かんでこない
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分かっているのに違うことを言ってしまう
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まとまったことが上手に話せない
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発音がたどたどしくなる
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文字を思い出せない
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名前や住所さえも 書き間違える
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文章が書けない
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読んで理解することが難しい(特に漢字よりも仮名)
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声を出して読むのが難しい
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声を出して読めても意味が分かっていないことがある
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耳は聞こえていても言葉の意味が理解できない
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話の内容を頭の中にとどめておくのが難しい
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早口の話、長い話、複雑な話は理解しにくい
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突然話題が変わるとついていけない
【失語症と一緒に起こりやすい症状】
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体の右側にまひが出る
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右側が見えにくい
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考えがまとまらない
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計算できない
失語症は大脳にある「言語領域」が何らかの原因で傷つくと起こります。その症状の現れ方は人それぞれ異なり、また回復の程度も個人差があります。
救急医療が進歩したおかげで、脳卒中や頭部外傷の方も救命できるようになり、結果として失語症になる人も増えています。
舌や口が麻痺(まひ)したために起こる「構音障害」や、ストレスなどによって声が出にくくなる「失声症」、複数の認知機能の低下が徐々に進む「認知症」などとは違います。
人と人とのコミュニケーションは、毎日の生活に欠かすことのできないものです。そのコミュニケーションに必要な言葉がうまく使えなくなったとしたら、どんなに大変なことになるでしょうか。そして、その苦しみや日々の不自由ささえもうまく伝えることができないのです。
市では失語症の人の社会参加を応援するため「要約筆記奉仕員派遣事業」「言語訓練事業」や相談事業を行っています。
市内には失語症の人が孤立せず豊かに社会とかかわるための「よっかいち失語症友の会」があり、交流会などのほかに会話パートナーの養成も行っています。
また、小規模作業所「生活倶楽部きりん」(車椅子対応可)では、作業とともに、言語訓練、音楽療法などを行っています。
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要約筆記とは、相手の話を要約し、文字にして伝える方法です。
今年、本市で「全国失語症者のつどい三重(四日市)大会」が開催されます。大会では失語症の人が心豊かに社会生活を送るためのさまざまな取り組みが話し合われます。
6月7日(土) 13:00〜16:30
総合会館 8階 視聴覚室など
主催:
全国失語症者のつどい三重(四日市)大会実行委員会
●この特集についてのお問い合わせは 障害福祉課 TEL 354‐8171 FAX 354-3016
Eメール:
syougaifukushi@city.yokkaichi.mie.jp