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2007 YOKKAICHI
人権・同和教育シリーズ
認知症高齢者とその家族

介護サービスでの食事風景〈おむすび一個〉
 「毎日、おむすび一個しか食べさしてもらえへん」と、あるおばあさんから電話がありました。聞くと、家族と同居しているが、昼間は仕事に行ってしまうので一人暮らし。おむすび一個だけ置いていくとのこと。家族に聞いてみると、「おばあさんは、糖尿病で食事制限も必要なんやけど、認知症でご飯があればあるだけ食べてしまうし困ってるんやわ」とのことでした。
 このおむすび一個をめぐるおばあさんと家族の意見の違いは、どちらが正しいというものではありません。おばあさんの意見だけ聞けば、「介護の放棄」という高齢者虐待になりますし、家族の意見だけ聞けば、「おばあさんの健康のため」ということになってしまいます。では、どうすればよいのでしょうか?
〈認知症高齢者とその家族〉
 おばあさんには、もっと食事がしたいという希望があります。家族は、おばあさんの希望を理解した上で、優しく「健康のためなんだよ」と、諭してあげてはどうでしょうか。食事の量が妥当かどうか検討をしてみるのも一つの方法でしょう。認知症だからと、一方的に家族の考えを押し付けてはいないでしょうか?
 認知症高齢者を支える家族には多大な負担とストレスがかかります。全て家族でまかなうのは大変ですので、介護サービスを使うなど介護の負担を減らす必要があります。また、認知症は病気です。病院などの専門機関に相談することが大事です。家族がストレスをためてイライラした状態では、十分な介護をすることは望めません。
 認知症のある高齢者も、介護する人も、立場は違いますが、お互いの話しにもっとよく耳を傾け、人格を尊重しあって生活していけるとよいのではないでしょうか。
問い合わせ先 …介護・高齢福祉課(TEL354-8170)
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