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2004/6月下旬
2003 YOKKAICHI
特集 同和問題の解決にむけて
同和問題の解決にむけて 〜人々の交流を通じた住民参加による「人権のまちづくり」〜
委員会からの答申の内容
同和問題の基本認識
これまでの成果
(1)同和問題の解決を市政の重要な課題と位置
  付けて、同和対策事業が進められてきた結
  果、かつての生活環境の劣悪さが差別を再生
  産するような状況は基本的に解消され、同和
  問題は解決に向けて大きく前進しました
(2)同和問題解決に向けた教育・啓発活動は、
  市民の人権意識を高め、他の人権問題の取り
  組みにも大きな影響を与え、広がりを持たせる
  重要な役割を果たしてきました
課題
(1)地区(※1)に限定した施策を行う際の市民に
  対する啓発の不十分さは、「ねたみ意識」など
  を生じさせました
(2)事業目的に関する説明不足や自立支援の視
  点を欠いた事業展開などは、一部に行政依存
  的な弊害を生み出しました
(3)差別落書きや結婚問題、地区内の高い生活
  保護受給率、不安定就労などの課題が残され
  ており、問題の総合的な解決にまで至ってい
  ません
基本認識
(1)特別対策(※2)としての同和対策事業は、厳しい差別の実態の早急な改善の必要性から導かれた過
  渡的措置です
(2)特別対策が終了し、一般施策へ移行したことは、同和問題の早期解決を目指す取り組みの放棄を意味
  するものではありません
(3)同和問題は国民的・市民的課題であり、今後とも同和行政は市政の重要な柱です
(4)差別の原因に迫る視点や姿勢をこれからも持ち続けることが大切です
(5)同和問題解決のための取り組みは、あらゆる人権問題の解決へとつながります
※1「地区」………部落差別を受けている地域。いわゆる「同和地区」
※2「特別対策」…同和対策に関する特別措置法に基づいて行う、地区に限定した事業・施策
今後の基本目標
 部落差別の解消には、差別の結果として生じている格差の是正だけではなく、地区住民の自立と自己実現および豊かな人間関係の創造を図り、差別を生み出している原因である社会システムの変革を進めることが必要です。また、地区周辺の住民との交流やコミュニケーションを図る継続的な取り組みを通じて相互の理解を促進し、住民がお互いに協力して人権文化を構築するまちづくりを進めていくための協働関係を創り出す必要があります。
目標1 市民の人権意識の高揚を図るための条件整備
目標2 地区住民の自立と自己実現、豊かな人間関係の創造を図るための条件整備
目標3 地区内施設を活用した住民交流を促進するための条件整備
施策の推進方向
(1)基本的な施策の方向
 今後の同和問題解決のための施策は、これまでの同和行政の成果を踏まえ、さまざまな課題を持つ人びとに対する人権尊重の視点に立って取り組むべきです。
 そのためには、地区の実態を踏まえ、そこに見られる諸問題を地区だけの問題として捉えるのではなく、広く社会に存在する市民の課題として捉え、同和問題の根本的な解決を目指し推進していくべきです。そうすることにより、同和問題解決の取り組みが普遍性を持ったものとして共感を広げ、さまざまな人権問題を解決していくことにつながります。
(2)人権行政の推進体制
1.同和問題解決の施策を人権行政の一環として
 明確に位置付け、推進体制を強化するために、
 現在3つの課(同和課、人権センター、人権・同
 和教育課)にまたがる人権行政組織について、
 人権行政を統括する新たな部の設置も視野に入
 れて再構築すべきです
2.市の各部局に配置されている「同和行政推進監
 」には、今後とも人権行政の重要な柱として同和
 行政を積極的に展開していくための大きな役割
 が期待されます
3.多様で複雑な新たな人権課題に対応し、施策を
 効率的に推進していくためには、NPOなど民間
 諸団体や市民との協働・連携を図る必要があり
 ます
今回の答申を受けるまで
 同和問題とは、たまたまある特定の地域に生まれたというだけで、本人の努力や責任とは関係なく、結婚や就職などにおいて差別を受けることで、基本的人権の侵害にかかわる重大な社会問題です。
 昭和44年の同和対策事業特別措置法の施行以来、市では地区を中心に生活環境の改善をはじめとするさまざまな事業を行ってきました。その結果、地域の状況は大きく改善され、同和問題の解決に一定の役割を果たしてきました。この特別措置法は、平成14年3月31日で期限が切れ、現在は地域を限定した事業は行っていません。
 しかし、差別落書きや結婚問題、あるいは教育や就労面などにおける課題は残されており、同和問題は総合的な解決にまで至っていないのが現状です。
 こうした現状を受けて、市では同和対策委員会への諮問を行い、今回の答申をいただきました。
「人権のまちづくり」を目指して
 答申は、市における今後の同和問題解決の方向性を示すものです。
 今後市では、市民の人権意識の高揚を図り、さまざまな課題を抱えた人々の自立と自己実現を支援するとともに、豊かな人間関係を創造するという認識に立って同和行政を進めていきます。また、地区内外の人々の交流を通じた住民主導・住民参加による「人権のまちづくり」に取り組んでいきます。
 みなさんも「人権のまちづくり」への参加を通して、同和問題に対する正しい知識と理解を身に付け、その解決を自らの課題として積極的な行動へとつなげてください。

●この特集についてのお問い合わせは 同和課 TEL:54-8156
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