HOME >> 人権・同和教育シリーズ 2003/10月上旬
2003 YOKKAICHI
人権・同和教育シリーズ
子どもの居場所と人権

 街頭補導を行っていると、いろいろな子どもたちとの出会いがあります。
 夜の公園や大型店の階段付近に座り込んで、おしゃべりに夢中になっている高校生がいます。また、夜間に駅の入り口付近や公共施設の玄関先でダンスの練習をしているグループもいます。そのほか、ゲームコーナーなどで、遅くまで遊んでいる中学生にも出会います。「早く帰らないといけないよ」と声をかけると、大部分の子は素直に「はい」と応えてくれます。
 しかし、子どもたちの中には、家庭に居場所を見つけられず、「たまり場」を求めている子も多くいるのが現状です。
 子どもは本来、ありのままの自分を受け入れてほしいという欲求を持っています。
 子どもを理解するために必要かつ大事なことは、本音で語り合える親子関係や友人関係です。つまり、怒りやつらさ、そして楽しさや嬉しさを共有することのできる人と人とのつながりなのです。そのつながりを持つためには、子どもの目線に立って、子どもたちと接することが大切です。そうすれば子どもも自ら心を開き、ホッとした安らぎを覚えるに違いありません。このように「安心して生きる」ということは、人間にとってなくてはならない基本的人権の1つです。
 しかし、残念なことに今の社会の中には、この権利を奪う状況が広がってきています。家庭で親の権力に振りまわされたり、学校でいじめや仲間外れにあったりするなど、子どもたちの周りは決して安心できる居場所とは言えません。子どもたちは不平や不満をどこにどんな形で持っていけばいいのでしょうか?
 そこで、家庭、学校、地域社会でも受け入れられない子どもたちに、今こそ心の居場所を提供することが何よりも必要です。
 そのために、未来を担う子どもたち一人ひとりの気持ちを十分理解し、気軽に集え、友だちと語り合える居場所づくりを目指して、青少年の健全育成を図っていきたいと考えています。

担当:少年センター
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