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2003 YOKKAICHI
人権・同和教育シリーズ
「生活排水から環境権を考える」

 社会状況の変化に伴い、基本的人権についても、新しい人権として「知る権利」、「プライバシーの権利」などとともに「環境権」という言葉を見聞きされたことがあると思います。
 「環境権」とは、誰もが、より良い環境を享受できる権利のことをいいます。これは、もともと1960年代後半にアメリカで提唱されたものですが、1972年にストックホルムで開催された国連人間環境会議における人間環境宣言の中で位置付けられ、広く知られるようになりました。
 このことは、経済が優先され、環境が軽視されていた時代に、私たちが、権利としての環境に対し、どのように向き合っていったらいいかを教えてくれたといえましょう。それと同時に私たちは今、より良い環境をつくり出していくという義務を負っていることについても、考えていく必要があるのではないでしょうか。
 身近なところで生活用水についていえば、現代は生活様式が変化したことにより、水の利用が増加する一方、生活排水という負の産物をもたらしました。その結果、水質汚濁に占める生活排水の割合は、都市化の進展に伴い無視できない状況になってきています。
 1杯のみそ汁を流すと、魚がすむことができる水質を取り戻すためには、風呂おけ(300リットル)4.7杯分もの水が必要だといわれるほど、自然の力には限界があるのです。
 このように、私たちの暮らしの中で、何が環境に影響を及ぼしているのか、そして私たちに何ができるかを考えてみることが必要です。人間が生きていくことに欠かせない水、空気など、環境をより良くすることが、私たち一人ひとりの人権を守ることにつながるのです。


担当:生活排水施設課
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