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人権・同和教育シリーズ
小さな思いを受け止めること−人権尊重は信頼感から
 最近、人と人とのコミュニケーションが難しくなったと言われます。毎日を共に過ごす家族や友人、同僚とざっくばらんに話す。初めて会う人と話をし、理解してもらう。大勢の人を前にして自分の気持ちを言う。そのような人とのかかわりの中で思いがしっかり伝わったときのうれしさを私たちは知っています。
 では、思いが伝わる喜びを子どもたちは十分に経験しているでしょうか。
 大人は、子どもと向き合ってその子の思いにどれだけ深く共感できるかが問われるときがあります。子どもは、心の奥から出た精一杯の声をそっくりそのまま受け止めてくれる大人が必ず居てほしいのです。その存在が、人を信じることの始まりです。
 あるとき、中学生の息子が友人の腕をふざけてひねり、けがをさせてしまいました。その晩、親子で謝りの電話を入れると、相手のお母さんはおっしゃいました。「いいです。○○くんはその場ですぐゴメンと謝ってくれたから。」
 素直に謝ったから許します。――私にとっては、人が人を信じられなくなるなんてことからすっかり解放されるような言葉でした。私たちの日常がこのような思いに支えられるものであればと思います。
 子どもたちの笑顔に出会うときふと頭に浮かぶ言葉があります。「子どもたちがかわいいのは、万国共通。」しかし、地球には貧困や戦争、差別がいまだに残り、また新たに生じています。大人たちがつくった負の遺産を子どもたちに決して引き継がせてはならないと思います。
 私たち大人から子どもたちに引き継ぐべきものは、相手を信じ認め合う、人権を尊重する風土です。そんな風土を培うために、日々生涯学習活動の機会を提供していきたいと考えています。
(今回は、生涯学習課が担当しました。)
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