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心臓血管外科

■ 心臓血管外科スタッフ
■ 心臓血管外科で行われる治療とは
■ 心臓血管外科の実績
  1.冠動脈バイパス術
  2.弁膜症手術
  3.大動脈手術
  4.先天性心疾患
  5.ペースメーカー、埋め込み型除細動器(ICD)
■ 心臓手術の実際
  1.冠動脈バイパス術
  2.弁膜症手術
  3.拡張型心筋症(DCM)、虚血性心筋症(ICM)の手術
  4.大動脈手術
  5.ペースメーカー、埋め込み型除細動器(ICD)
■ 心臓血管外科外来受診について
■ 心臓血管外科手術の費用について
  1.更生医療の利用
  2.更生医療が利用できない場合
  3.大血管手術の場合

3) 心臓血管外科の実績

 当科開設以来の心臓手術症例数(いわゆる施設基準手術:off-pump バイパス & 体外循環使用手術)をグラフに示します。
 1990年の開設以来徐々に増加し、2000年以降は各年度で増減はあるもののほぼ150例前後で推移しています。

心臓手術症例数

当科の方針として、患者さんの生活の質(Quality of life ; QOL)の向上及び低侵襲の外科治療を目指しています。以下に当科で行っている代表的手術治療法を挙げます。

 

1. 冠動脈バイパス術
 対象となる疾患は狭心症及び心筋梗塞です。心臓の筋肉は冠動脈といわれる動脈によって養われています。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などによって引き起こされる動脈硬化が原因で、冠動脈が狭くなる(狭窄)狭心症という病気、冠動脈が詰まる(閉塞)心筋梗塞という病気になってしまいます。主な症状は胸痛ですが、狭窄や閉塞している部位によっては極めて重症となってしまいます。
 以上のような疾患に対しては、循環器内科医が行うカテーテル治療 (PCI:風船+ステント)と心臓外科医が行う冠動脈バイパス術 (CABG)があります。2011年に日本循環器学会よりガイドラインが提示され、左主幹部病変、重症3枝病変には生命予後改善効果が証明されている冠動脈バイパス術を第一選択とすることが、内科医、外科医共通のコンセンサスとして承認されました。PCIの適応は、急性冠症候群(急性心筋梗塞等)と左前下行枝病変を伴わない1枝、2枝病変です。
当科では循環器内科と十分な検討をして手術適応を判断しています。

 冠動脈バイパス術とは病変のある冠動脈に対して、狭窄または閉塞している部位を飛び越えて、新たな別の血管を用いて血液の流れる通路を作る手術です。
 以前の冠動脈バイパス術は人工心肺を用いて、心停止のもとで行うのが普通でした。しかし、人工心肺使用に伴う様々な身体への侵襲を避けるために、1997年以降は心拍動下冠動脈バイパス術(Off pump coronary artery bypass ; OPCAB)が普及してきています。この術式は人工心肺を用いずに、吸盤などの様々な器具を用いて吻合する部位だけを固定して行います。その結果、人工心肺に伴う侵襲の回避、手術時間の短縮、及び術後回復の短縮につながります。人工心肺を使用しないため術後の回復が早く、早期離床、早期退院が可能となり、また、高齢者や様々な合併症をもった患者さんでも同様な回復が期待できます。2004年以降はほとんどの単独冠動脈バイパス術をoff-pump (OPCAB)で行っております。

下記グラフは当科におけるOPCAB を開始した1997年以降の冠動脈バイパス手術の実績です。
(注;off-pump:人工心肺を用いない単独冠動脈バイパス手術
   on-pump:人工心肺を用いる従来型単独冠動脈バイパス手術
   combined:人工心肺を用いる冠動脈バイパス手術と弁その他の合併手術)

冠動脈バイパス手術件数

冠動脈バイパス手術: off-pump vs. on-pump(従来型)


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2. 弁膜症手術
 心臓には右心房、右心室、左心房及び左心室の4つの部屋があり、それぞれの部屋の出口には逆流を防止するための弁があります。それぞれ三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁及び大動脈弁と名前が付いています。心臓弁膜症というのはそれらの弁が固くなったり狭くなったり(狭窄)、あるいは弁がしっかりと閉じなくなって逆流する(閉鎖不全)ようになったりする病気です。息苦しさ、胸の不快感、息切れなどの症状がでます。内服薬によって症状の改善をみることもありますが、手術による外科的治療が有効である場合も多くあります。

 手術には、主に弁置換術、弁形成術及び弁輪形成術があります。また、弁膜症手術では人工心肺が必要となります。
 弁置換術とは悪くなった弁を切除して、人工弁を縫着する手術です。ほとんどが大動脈弁と僧帽弁に対して行われますが、稀に三尖弁に対しても行われます。人工弁は機械弁と生体弁の2種類があります。機械弁はカーボンや金属で出来ています。この弁は耐久年数が長い利点があるのですが、一生涯、抗凝固剤(ワーファリン)という薬を飲み続けなければならない欠点もあります。生体弁は、牛の心嚢膜で造ったステント付生体弁とブタの大動脈弁を化学処理して造ったステントレス生体弁の2種類に分かれます。生体弁の利点は機械弁のように抗凝固剤(ワーファリン)を必ずしも必要とはしないことですが、若年者ほど劣化が早いため、65歳以上の高齢者に用いられます(この年齢での15年後の劣化率は10%程度です)。また、大動脈弁においては弁の大きさが非常に小さくてステント付生体弁では機能的に問題となる場合があり、一時ステントレス生体弁(フリースタイル弁)を積極的に用いましたが、現在では弁口面積の広いステント付生体弁Magna 弁が登場したため、これを用いています。また必要に応じ積極的に弁輪拡大手術 (Nicks法、Manouguian法)を行い、十分な大きさの人工弁を植え込むようにしています。

 弁形成術とは自己の弁を切除せず、弁そのものを修復することによって病気を治療する手術です。自己弁が温存されますので術後の生活の質(Quality of life ; QOL)の向上に非常に期待が持てます。抗凝固剤(ワーファリン)の服用を必ずしも必要とはしません。
対象は主に僧帽弁と三尖弁ですが、大動脈弁でも可能であれば自己弁温存の大動脈基部置換術 (David手術)を行います。
 
下記グラフは当科における1997年以降の弁膜症手術の実績です。

弁膜症手術件数


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3. 大動脈手術
 主に対象となるのは大動脈瘤です。大動脈瘤とは大動脈が様々な原因により正常の大きさよりも拡大したものを指します。心臓血管外科で扱うのは真性大動脈瘤と解離性大動脈瘤です。前者は大動脈の一部が動脈硬化などを原因として生じます。後者も動脈硬化や高血圧などが原因となりますが、遺伝的な素因でも生じます。手術としては大動脈瘤を人工血管で置換する手術を行います。後者の場合はほとんどが緊急手術となりますが、前者では予定手術で行えることが多いといえます。
尚、大動脈瘤に対するステントグラフト治療を2013年度より腹部で、2014年度より胸部で開始しました。今後は、低侵襲のステントグラフト治療が開胸手術以上に増加すると予想されます。

下記グラフは当科における1997年以降の胸部大動脈瘤手術の実績です。

胸部大動脈瘤手術件数


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4. 先天性心疾患
 小児先天性心疾患の手術は年間約5〜10例です。比較的軽症の患者さんを対象としております。以前は小児症例も行っておりましたが、現在はほとんど行っておりません。


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5. ペースメーカー、埋め込み型除細動器(ICD)
 当科ではペースメーカー(Pacemaker)や埋め込み型除細動器(Implantable cardioverter defibrillator ; ICD)、心臓再同期療法(Cardiac resynchronization therapy ; CRTP & CRTD)の植え込み術を積極的に行っております。

下記グラフは当科における1997年以降のPacemaker、ICD、CRTP & CRTD手術の実績です。

Pacemaker, CRT, ICD植え込み件数


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